スタンフォード監獄実験とは|人は誰でも悪魔になれる

スタンフォード監獄実験とは|人は誰でも悪魔になれる 心理学
スタンフォード監獄実験とは|人は誰でも悪魔になれる

「スタンフォード監獄実験って何? 人間の本質は悪魔って本当? スタンフォード監獄実験が再現されたって本当? 心理学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に物理学修士の筆者が答えます。

結論

スタンフォード監獄実験とは心理学者フィリップ・ジンバルドー(1933-)が行った「状況の力が人格にどのような影響を与えるか」を知るために、学生24名を看守役と囚人役と分けて、実際の刑務所をリアルに再現し、その様子をモニターで記録するという心理実験です。詳細は本記事に解説します。

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本記事の内容

スタンフォード監獄実験とは

スタンフォード監獄実験とは

スタンフォード監獄実験とは心理学者フィリップ・ジンバルドー(1933-)が行った「状況の力が人格にどのような影響を与えるか」を知るために、(心理テストを行い、正確や気質が標準的な)学生24名を看守役と囚人役と分けて、実際の刑務所をリアルに再現し、その様子をモニターで記録するという心理実験です。もちろん学生は暴力を奮ってはいけない、いつでも実験を辞めていい、看守役の言うことは従う、看守を呼ぶときは刑務官殿と敬称をつけるなどのルールが決められていますが、看守役の威嚇は認められていました。実験は当初2週間を予定されていましたが、5日目の夜に中断されたため、1日目~5日目に分けてそれぞれ解説します。

スタンフォード監獄実験1日目

1日目、囚人役の生徒たちは(実験に協力した実際の)警察に連行され、スタンフォード大学地下の心理学研究所に連れていかれます。本物の犯罪者同様に指紋を採られ、看守の前で全裸され、主人服を身に付けます。もちろん囚人は名前ではなく識別番号で呼ばれます。
一方、看守役の生徒たちは制服、マジックミラー入りのサングラスを着用し、警棒を手にしています。
初めはどちらの役も照れくさそうにしながら、役を演じました。囚人役の間にも笑い声が聴こえることもありました。

スタンフォード監獄実験2日目

2日目からは看守役と囚人役の間で争いごとが始まります。
不満を募らせた囚人役が、看守役を自分の監房に入ってこれないようにバリケードを作ったのです。すると看守役はペナルティとして他の監房にあるベッドを奪い、さらに抵抗した囚人役には手錠をかけることもありました。また1人の囚人役がストレス障害でリタイアしたので、ジンバルドーは代わりの囚人役の学生を送り込みました。

スタンフォード監獄実験3日目

3日目になると、看守役はさらに横暴になり、囚人役を真夜中起こして点呼する、素手でトイレを洗わせる、囚人たちにはバケツで用を足すなど、勝手にルールを追加して、囚人役を精神的に虐待し始めるのです。もちろんバケツで用を足させていたため、監獄には常に悪臭が漂っていました
暴力は奮ってはいけないものの威嚇は認めらえていたため、看守役は持っている警棒でドアを激しくたたいて精神的な虐待を行いました。

スタンフォード監獄実験4日目

4日目になると、(看守役)「お前は糞ったれだ」、(囚人役)「はい、刑務官殿のおっしゃる通りです」、(看守役)「4589、どう思う?」、(囚人役)「彼は独りよがりの糞ったれです」といったように囚人役たちは、看守役たちのどんな言葉も無条件で受け入れるようになります。
さらに看守役は「床とフ〇ックしろ」、「ソーセージをけつの穴につっこんでやろうか?」などの精神的虐待がエスカレートします。
囚人役の1人異常行動を始め、ストレス障害と判断されたため、ジンバルドーは代わりの囚人役の学生を送り込みました。

スタンフォード監獄実験5日

1日目には、無辱の言葉が1時間間あたり0.3回だったのに対し、5日目になると、5.7回まで激増します。それだけでなく、看守役が囚人役を四つん這いにして、動物のセ〇クスの真似をしろと要求するほどにまでなったのです。
5日目の夜に、ジンバルドーの恋人である心理学者クリスティーなが彼のもとへやってきて、彼が記録しているモニターを見ました。するとモニターの向こう側で行われているおぞましい事態に、クリスは涙を流して実験を辞めるように訴えかけます。しかし、ジンバルドーは「わからないのか?これが人間というものなのだ。未だかつて誰も見たことの無い光景がひろがっているんだ」と何かに憑りつかれたように反論します。
しばらく言い争いが続いた結果、クリスの「自分自身で作った監獄に自分自身が囚われている。そのことに気づいているのか」という言葉で我に返ったジンバルドーは「この実験で学生が残忍な看守として振る舞ったように、自分が研究者ではなく、残忍な監獄長として振る舞うようになっていたことに気づくのです」。
2週間予定していたこの実験は6日目で中止されたものの、この実験は多くの研究者から批難されました。当時参加していた看守役は「深夜2時半に囚人役を苦しめるのが楽しかった」、「囚人役たちを家畜のように考えた」などとかたっています。

スタンフォード監獄実験の再発

9.11テロ以降、アメリカはアフガニスタンに侵攻し、さらに大量破壊兵器を保持しているとの疑いで、イラクへ侵攻しました。
2004年イラクのバグダッド郊外「アブグレイブ収容所」で、イラク人捕虜が収容された刑務所がありました。そこでは全裸で首に犬用のリードをつけられた捕虜、性的なポーズを強要された捕虜、犬を使って威嚇された捕虜など、スタンフォード監獄実験を思い出させるような心理的苦痛を与える虐待が行われていました。米軍や政府関係者は「この虐待は組織的なものではなく、一部の腐ったリンゴがやった」と主張したのです。この件に関して、ジンバルドーは「虐待に加担した兵士たちは良いリンゴだったが、出来の悪い樽に入れたのだ。出来の悪い樽を誰が作ったのかを見つけ出す必要がある」と主張しました。
精神療法士ジェラルド・グレイは「アメリカ軍はスタンフォード監獄実験を利用して、看守が自発的に捕虜を虐待するよう仕向けた」、「軍は虐待が起こることがわかっていた」など指摘しました。
事件発覚から一か月後、アメリカ政府はアブグレイブ収容所を廃止し、虐待行為に関与した7人の兵士は軍法会議にかけられ有罪となりました。

ちなみにキューバのグアンタナモ米軍基地では「180時間におよぶ睡眠剥奪」、「小さな箱で250時間以上監禁」心理的拷問が行われていました。

フィリップ・ジンバルドーとは

フィリップ・ジンバルドーとは

フィリップ・ジンバルドーはニューヨークのサウスブロンクスというスラムで生まれました。生まれる4年前にはニューヨーク恐慌があり、ただでさえ治安が悪い町がより一層、貧困、暴力、犯罪を加速させていました。例えば子供に盗みを働かせる、ドラックを売る、女の子には体を売らせるといった大人たちに囲まれてジンバルドーは育ったのです。ジンバルドーの友達の中には鬱屈した気持ちに耐えかねて、生きたまま猫の皮を剥いだ者がおり、その後彼は凶悪な犯罪者となった。
しかし、ジンバルドーは「親から強い愛を与えられた子供は悪いことをしない」という状況が人を変えることを目の当たりにしたことから人間心理に興味を持つようになりました。当時の心理学では「人間の行動は人間の性格や気質で決まる」というジンバルドーの考えとは逆の考えが主流であったため、ジンバルドーは自分の考えを確かめたくスタンフォード監獄実験を提唱したのです。

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