【簡単】国富論とは|国富論要点5選

国富論とは 経済
【簡単】国富論とは|国富論要点5選

アダム・スミスって誰? 国富論って何が書いてあるの? 神の見えざる手? 経済学の本って難しくてわからないな…

こういった疑問に経営学修士(MBA)の著者が答えます。

結論

「経済学の父」と呼ばれるアダム・スミスは「人類の暮らしをいかに豊かにするか」が書かれた「国富論」を発表しました。国富論に記載されている「見えざる手」は有名です。詳細は本記事にて解説します。

本記事の参考文献

本記事の内容

国富論とは

国富論

国富論とは1776年にアダム・スミス(1723~1790)が執筆した「人類をいかに豊かにするかが書かれた経済学の本」です。厳密にいうと経済学という言葉が普及したのはアルフレッド・マーシャル(1842~1924)の時代なので、国富論を経済学ではなく、道徳の本として執筆されました。国富論の内容でもある「小さな政府」や「自由経済」は現在の政策でも議論されています。ここではその国富論の内容の基本である「1.重商主義の原理」、「2.分業」、「3.モノの価値」、「4.神の見えざる手」、「5.国家の役割」をそれぞれ解説します。

1.重商主義の原理

国富論の重商主義の原理

18世紀以前は絶対王政下の「封建制」により、貴族と市民の階級しかありませんでした。18世紀まで経済学が発展しなかったのも、貿易や商業が封建制により自由じゃなかったからです。15世紀半ばから大航海時代が訪れ、東インド会社(国王がえこひいきしていた世界初の株式会社)のような一部の会社だけ貿易特許が与えられ、貿易と商業が少しずつ栄え始めます。17世紀の終わりには名誉革命(1688~1689)が起き「国王は君臨すれども統治せず」という伝統が生まれ、産業革命下で対外貿易の主権を握っていたイギリスにヒト、モノ、金が大量に流通されるようになりました。その結果、イギリスは貨幣を蓄積して外貨を獲得します。この思想、政策を「重商主義」といいます。
「重商主義」により「中産階級(ブルジョアジー)」と呼ばれる市民にお金が集まるようになります。
それに対して、「労働者階級(プロレタリアート)」と呼ばれる、自分の労働力を売って生活をしている市民にはお金が集まりません。そんな時代を生きたアダム・スミス(1723~1790)は「重商主義は中産階級(ブルジョアジー)だけがお金を貯めこんで労働者階級(プロレタリアート)は一向に豊かにならんやんけ!」と重商主義を批判しました

2.分業

分業

アダム・スミスは「国民が豊かになるには生産性を上げなければならない、生産性を上げるには分業だ!」としました。
「分業」の始まりは原始時代までさかのぼります。今ではお金を払って物を買う事が普通だと思うのですが、原始時代は物と物を交換してました。
例えば狩りが苦手な人は弓や槍を作って、狩りの得意な人が獲った食料と交換してました。それが「分業」の始まりです。実際に産業革命時は「分業」により工業生産性が上がりました。ただし分業で農業生産性はあまり上げることはできません。例えば、農業は耕す時期、種まきの時期、対策の時期(除草、害虫駆除など)、収穫の時期が全部違うため、同時進行でそれぞれが1つの作業をするといった分業には向いていないのです。従って工業国の方が農業国よりも生産量が増え、豊かな国になれるのです。

物々交換はやがてその交換する物がもっと長持ちする物、例えば穀物、塩、貝殻等に変化しました。さらにそれが金属へと変化して現在の紙幣へと形を変えました。アダム・スミスは金銭によって商品や労働の対価が設定され支払われることを「金銭価格」と呼びました。ちなみに「金銭価格」は地域によっても変わり、商人はこの差額で儲けていました。

3.モノの価値

分配

アダム・スミスは「国民が豊かになるには生産物を適正価格で分配しないとダメだ!」としました。そして、その適正価格は労働で決まると定義したのです。なぜそのような結論に至ったのでしょうか?
商品には「使用価値」と「交換価値」があります。「使用価値」とは、人間の欲望をどれだけ満たせるかを表してしており、「交換価値」とは、ある使用価値を持つ商品と別の使用価値の持つ商品との交換比率を表しています例えば水は使用価値は高いけど交換価値は低く、ダイヤモンドは使用価値が低いけど交換価値は高いです。アダム・スミスは「じゃあ、何によって交換価値を決めているだろう」という疑問を持ちます。そこで「物が欲しい時に本当に支払ってるモノは、そのモノを生産性する手間と苦労、つまり労働だ!」という考えに至り、「交換価値の尺度は労働である」と定義するようになったのです。

その後、デイヴィッド・リカード(1772~1823)はアダム・スミスの「労働の価値は変動しない」という主張を否定します。リカードは「労働だって商品として扱われてる以上、労働の価値は需要と供給によって変動する」と主張たのです。

4.神の見えざる手

需要供給曲線と価格高

「見えざる手」とは、重要と供給のバランスは自動で調整される(見えざる手によって勝手に調整される)ことをいいます。アダム・スミスは、「見えざる手が市場を調整するから、政府は市場への介入を最小限に抑えるべき!貿易も自由放任!」と主張して、当時「自由」を阻害する独占企業東インド会社を後押しする重商主義を批判しました。見えざる手をグラフで解説します。上のグラフは「需要と供給の関係」を縦軸が価格、横軸が数量で表したものです。例えば需要曲線は数量が少ないと価格が高く、数量が多くなってくると価格は下がっていく様子を曲線で表しています。グラフのように①商品の価格が高いと誰も買わないから②価格が下がって均衡点(重要と供給が一致する数量と価格)に向かいます。逆に、下のグラフのように①価格が安いとみんなが買い②価格が上がって均衡点に向かいます。

需要供給曲線と価格安

「神の見えざる手」の限界

1929年ニューヨーク恐慌の際、この「神の見えざる手」では説明できない現象が起きました。それは失業者がいつまでたっても就職できなかったのです。アダム・スミスの見えざる手では、いずれ労働市場の需要曲線と供給曲線が均衡点に向かいます。そのため、働きたい人は働くことができ、失業している人は低賃金が嫌で働きたくない人だとされていました。しかし、現実は低賃金でも働きたい人が働けない状態でした。この問題を指摘し、解決案を提唱したのが、英経済学者ジョン・メイナード・ケインズなのです。

↓ケインズについて知りたい方は↓

「神の見えざる手」と呼ばれることもありますが、正しくは「見えざる手」です。

5.国富論の国家の役割

国家

アダム・スミスは「見えざる手が市場を調整するから、政府は市場への介入を最小限に抑えるべき」としましたが、最小限とは国防、司法、公共事業、教育の4つだけだとしました。それぞれの理由は以下に解説します。

  1. 「国防」…他国に攻められないよう、または治安維持のためです。
  2. 「司法」…不平等な社会が続くと暴動や略奪が起きるためです。
  3. 「公共事業」…すべての公共事業を国民に委ねると大きな格差が発生すると主張します。
  4. 「教育」…当時の悪い資本家は競争相手を潰すために「この工場の社長は賃金を搾取しているぞ!」といい、競争相手の従業員にデモや暴動を扇動しました。十分の教育を受けていなく、分業で単純作業ばかりしている「労働者階級(プロレタリアート)」はデモや暴動をしても自分らの職を失うだけということを理解できませんでした。
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