【簡単】トンネル効果とは|トンネル効果の事例3選

トンネル効果とは|トンネル効果を事例で解説 自然科学
【簡単】トンネル効果とは|トンネル効果の事例3選

「トンネル効果って何? トンネル効果の事例が知りたい。 物理学ってなんだか難しそうだな…」

こういった疑問に理学修士(物理学)の筆者が答えます。

結論

トンネル効果とは「粒子がエネルギーのポテンシャルをまるでトンネルのように透過する現象」です。詳細は本記事にて解説します。

本記事の参考文献

本記事の内容

トンネル効果とは

トンネル効果とは

ボールが山頂にある時は、山の高さの分だけ位置エネルギーをもっています。もしボールが山から転がると、その位置エネルギーが運動エネルギー(速度)に変わります。これはニュートン力学(古典力学)で有名なエネルギー保存の法則です。ボールが上写真上のような山を超えようとすると、ボールの運動エネルギー(速度)は、ボールが山頂にいる時の位置エネルギーより大きくないといけません。つまり量子力学以前のニュートン力学では物質の持つエネルギーよりエネルギーの壁の方が高ければ、物質は壁を越えることができないのです
しかし量子力学ではそうはなりません。例えば上写真下のように絶縁体が挟まれた導線を走る電子について考えます。絶縁体とは電子を通しに難い物質で空気も絶縁体ですが、落雷が起きるように、高い電圧(エネルギー)をかければ絶縁体でも電子が通過できます。つまり絶縁体は先ほどの山といっしょでエネルギーの壁なのです。
量子力学以前のニュートン力学では、エネルギーの壁より高いエネルギーを持っていなければ物質は壁を超えることができませんでしたが、ミクロな世界の理論である量子力学では違います。
電子のようなミクロな物質は、例え物質が持っているエネルギーが低くても、エネルギーの壁を越えることができるのです。この現象をトンネル効果といいます

トンネル効果の事例

トンネル効果の事例

トンネル効果は多くの電子機器や産業機器に応用されています。ここでは「1.アルファ崩壊」、「2.フラッシュメモリ」、「3.走査型トンネル顕微鏡」のそれぞれ3つ解説します。

1.アルファ崩壊

アルファ崩壊とはウラン、ラジウム、ラドン、ポロニウムといった重い原子核がアルファ線(ヘリウムの原子核:陽子2個と中性子2個の結合)を放出して、より軽い原子核に変化する現象です。
例えばウラン238は陽子92個と中性子146個が結合しており、結合状態は比較的安定にあります。古典力学で考えるとウラン238は変化しません。しかし、トンネル効果により一定の確率でアルファ線を放出して、陽子90個と中性子144個のトリウム234に変化するのです。
ちなみにウラン238がアルファ線を放出する確率は、44億6800万年の期間で50%です。この期間を半減期といいます。

2.フラッシュメモリ

USBなどのフラッシュメモリは、トンネル効果を利用して情報を記憶しています
2進数でデータを記録するフラッシュメモリは絶縁体を半導体で挟んだ構造をしており、何もしてない状態を1、電圧をかけて片方の半導体に電子が集まった状態を0としています。一見、普通の電子の流れに見えますが、フラシュメモリにかける電圧(エネルギー)では絶縁体(エネルギーの壁)を越えることができないのです。しかし、電圧をかけることでトンネル効果により、絶縁体を通過する確率がアップしているのです。これがフラシュメモリの原理なのです。もちろん1と0の情報は電圧を切っても保つことができます。

3.走査型トンネル顕微鏡

走査型トンネル顕微鏡はトンネル効果利用して、物体の凹凸を調べます。
走査型トンネル顕微鏡には太さ約10nmの針がついており、その針を電極につながれた物体の表面すれすれまで近づけて、針を物体の表面に沿ってスライドさせます。針と物体の間は空気(絶縁体)なのでエネルギーの壁が高いですが、こちらもフラッシュメモリの原理と同様にトンネル効果が働くため、エネルギーの壁を乗り越えて電流を流すことができるのです。針と物体の距離が近いほどトンネル効果が起こる可能性が高くなるので、電流値を測定することで物体の凹凸(針と物体の距離)を測定することができます。

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