スターバックを徹底解説|スターバックスが復活した7つの方法

スターバックスが復活した7つの理由 経営
「スターバックスは値下げもテレビCMもしないのに、なぜ強いブランドでいられるの?スターバックスが低迷したことがあるって本当?どうやって復活したの スターバックスの成り立ちやビジネスモデルを知りたい。 マーケティングってなんだか難しそうだな…」

こういった疑問にMBA学生の筆者が答えます。

結論

スターバックスが、値下げやテレビCMをしないのに強い理由は「顧客体験が一番のマーケティングと考えている」からです。詳細は本記事にて解説します。

本記事の参考文献

本記事の内容

スターバックスの誕生

スターバックスの誕生

スターバックスが創業した頃、米国のコーヒーはまずかったです。当時の米国業界は、際限のない価格競争に陥っていましたが、スターバックスはこの業界で急成長し、強いブランドを作り上げました。マーケティングの視点から見ると、スターバックスはブランディングと価格戦略の学びの宝庫なのです。

スターバックスは「どこにでもある一杯のコーヒー」を「他にないモノ」にしました。例えば、コーヒー豆の品質や深煎り焙煎を追究し、スペシャルコーヒーでコーヒーを楽しむ体験を作りました。
「どこにでもあるコモディティ化したもの」が「他にないモノ」になれば、顧客の心の中にブランド・ロイヤリティが生まれ、顧客は離れなくなります。1980~1990年代のスペシャルコーヒー(アラビカ種を使用した高品質高コストなコーヒー)は、まさに新しいカテゴリー(他にないモノ)でした。スペシャルコーヒーは広く認知され、スターバックスというブランドが全世界に普及しました。
顧客は新しいブランドには興味ないので、新規事業で訴求すべきなのは、新ブランドではなく、新カテゴリーなのです。

スターバックスは全世界で、32,660店舗まで拡大しています。
出典:statista

スターバックジャパンの誕生

スターバックスジャパンの誕生

スターバックスジャパンはスターバックスの日本法人です。スターバックスジャパンは1995年に設立されました。当初、日本マクドナルド元社長藤田田氏は「もう日本のコーヒー市場は飽和しており、スターバックスが参入する余地はない」と言って日本参入を反対していました。これに対して、スターバックスCEOハワード・シュルツは「我々は、コーヒーではなく、雰囲気を売る」と答えました。
米国スターバックスとスターバックスジャパンの間には「年内にこれだけ出店しなければならない」という出店数が契約条項が盛り込まれています。本社はライセンス料で売上の5.5%を受け取るだけでなく、出店数が確保できなかった分のライセンス料も支払わないといけません。

スターバックスジャパンは現在、1,637店舗まで拡大しています。
出典:スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社

スターバックスはほぼすべての店舗を直営していますが、ドトールはほとんどの店舗がフランチャイズです。一般に直営で店舗を運営する場合は、ブランドや店舗の運営について本部のコントロールを効かせやすいというメリットがあります。逆に建物などの固定資産や保証金、人件費といった販管費が高くなるので、資本効率は悪くなります。しかし、スターバックスは資産を多く持っているにも関わらず、収益性ではフランチャイズ展開しているドトールよを上回っているのです。

スターバックスのブランド・マネジメント

スターバックスのブランド・マネジメント

強いブランドは、評判がいい人と同じく誠実なイメージがあります。弱いブランドはイマイチ信用できません。このいい評判は、約束したことを常に実行し続けることでしかつくられないです。
スターバックスはブランド・マネジメント=評判管理と考えています。スタバは意図的なブランドづくりをしませんでしたが、美味しいコーヒーへの理解を得るために情熱をもってひたすら取り組み続けることで、強いブランドを生み出したのです。
財務のバランスシート(貸借対照表)で資産と負債があるように、スターバックスはブランドにもブランド資産とブランド負債があると考えます。スターバックスはある活動を行うべきか否かを判断する際、その活動がブランド資産かブランド負債かを以下の方法でチェックしているのです。

次の質問をして「〇」が3つ以上ならブランド資産でスタバにふさわしい活動、それ以下ならブランド負債でふさわしくない活動となります。

①お客様の知的好奇心を尊重しているか?
②お客様との約束を企業として責任をもって果たせるか?
③従業員が楽しんで積極的にできるか?
④気が効いてオリジナリティがあり、心から信頼できるとお客様がうけとるか?

ちなみに「イタリアのバイクメーカーベスパUSAと懸賞金キャンペーン」は以下のようにブランド資産となり、販売量を増やすことができました。

①お客様はイタリアのイメージを想起し、イタリアのカフェ文化とも関連がある。→〇
②第三者のベスパが商品を渡す。スタバも法的義務を尊守する責任を負う→〇
③スタバのバリスタにキャンペーンを離すと手ごたえのある反応だった。→〇
④お客様の反応は、正直わからない→×

スターバックスはなぜ広告を出さないのか

スターバックスはなぜ広告を出さないのか

スターバックスは広告をほとんど出しません。その理由は店舗のスターバックス体験そのものがマーケティング活動だと考えているのです。白いカップで出されるコーヒー、従業員と顧客の交流、店舗の雰囲気、コーヒーの香り、スタバのひととき。これら1つ1つがマーケティング活動なのです。
新コーヒーの無料テイスティングは販売促進でなく、顧客に商品を伝えることが目的です。実はフラペチーノのテレビCMをしたことがあるが、効果がでず、すぐに中止となりました。そこでテイスティングを続け、お客様との交流を深めることで、売上を増やしました。
スタバ創業当初はお金がなく、広告をださなかったですが、スターバックスは大きくなるにつれて「口コミが最大の広告」と気づきました。広告に回すお金があれば、メニューに個性的なドリンクを増やし、店内環境を充実させ、サービスのスピード向上のため従業員を増やします。このようにお客様の店舗体験を生み出すことが、一番のマーケティングなのです。

スターバックスはなぜ値下げをしないのか

スターバックスはなぜ値下げをしないのか

かつてスターバックスが「お客様感謝デー」として20%オフを行った際に、記録的な売上を達成しました。しかし、値下げ前の数週間は売上が激減、当日は商品供給が追いつかず大混乱など、トラブルも多かったの。それだけでなく、お客様が「スターバックスは値下げをすることがある」と認識し、機会損失も多く発生しました。
そしてなによりも、完璧な一杯のコーヒーでお客様に満足を届けられなかったのです
顧客体験を重視する企業にとってお客様とのつながりを創り出すチャンスは一度だけです。一杯のコーヒーでお客様には完璧なエスプレッソを味わってもらわなくてはなりません。スターバックスはサービスビジネスなのです。
低価格は、名案を考えだせないマーケティング担当者の常套手段なのです。

ウォルマートはEDLP戦略(毎日低価格戦略)で集客しますが、スターバックスは値下げしません。EDLP戦略だとコスト削減しか選択肢がないですが、スターバックスは利幅が90%以上あります。だから顧客体験に注力できるのです。

スターバックスの低迷期

スターバックスの低迷期

スターバックスは2000年のシュルツCEO退任後も、成長し続けていました。10年間で全世界の店舗は1000店舗から1万3000店舗に急拡大。売上も利益も順調だった。
しかし、業績の細部に悪化の兆しが出始めていました。2006年は来店客1人当たりの支払額が少し減り始めました。さらに2007年の夏には来客の伸びが顕著に落ち込んでました。
当時、スターバックスに失望する顧客が増えていました。味は落ち、狭い店内で肩をすぼめて座らされたりして、居心地いい空間ではなっていました。これは世界的な現象だったのです。
全世界で店舗を訪れたシュルツは「スターバックスの本質的な何かが失われた」と感じていました。店舗では引き立てのコーヒー豆から立ち上げる重厚で誘うような豊かな香りが消えていました。効率化のためコーヒーの粉を袋詰めして出荷・補完する方法に変えていたのです。また香りが強いチーズを使った朝食用サンドイッチが売れていましたが、これもコーヒーの香りを台無しにしていました。
さらに大量出店のために店舗デザインは簡素化され、研修不十分なバリスタが客にコーヒーを淹れ、作り置きのコーヒーを出す店もあり、米国の消費レポート誌が行ったコーヒーの味のテストで、スターバックスはマクドナルドより低評価になりました。スターバックスは自らの手で、特別な「スタバ体験」をコモディティ化してしまったのです

スターバックス低迷からの復活した方法

スターバックを徹底解説|スターバックスが復活した7つの方法

シュルツCEOのマインド 

2008年にシュルツはCEOに復帰した際に、こう考えました。

  • 「原点回帰」する。歴史を守るのでなく、改革や革新の気風に結びつける
  • 過去の間違いは攻めない。
  • 戦略や戦術では混乱は乗り切れない。必要なのは情熱だ。

低迷から脱却した方法

スターバックスは低迷期に以下のような抜本的組織改革が行われました。

  • まず、全米7100店舗を一斉休業し、バリスタ13万5000人を再研修したました。休業で、売上600万ドルを失いましたが、コーヒーの品質は向上しました。
  • 新たにに改良したコーヒーを開発、再びコーヒー豆で引く方針に戻し、一時間経ったコーヒーを捨てるルールを30分に改めました。
  • 臭いが強い、朝食用のサンドウィッチは販売停止し、臭いが少ない商品を開発しました。またエスプレッソマシンも高性能なものに一斉に切り替えました。
  • 業績が悪い600店舗を閉鎖。可能な限り店舗スタッフに新しい職を斡旋しましたが、多くの大切なスタッフも解雇せざるをえなかったです。
  • コーヒー豆の調達・焙煎、放送、倉庫管理、店舗配送を担うサプライチェーンは未熟なまま急成長して、店が注文しても、時間通り配送されるのは35%だけでした。そこで全体のプロセスを見直して、簡素化し、徹底的に無駄を省きました。業務システムも古く店舗作業が増えていたため、POSを一新し、最新型パソコンも導入しました。
  • 顧客の要望を取り組む仕組みを創り「見える化」もしました。顧客ががスターバックス改善のアイディアや意見を自由に投稿でき、アイディアに顧客が人気投票でる「マイスターバックスアイディア・ドットコム」を開設しました。開設後24時間で7000件のアイディアが寄せられ、1週間で4万1000件のアイディアに10万人が投票しました。
  • 健康保険は維持しました。健康保険制度が未成熟な米国で、スタバは充実した健康保険を全従業員に提供していたが、コストが急増していた。「コスト削減のため排しすべし」という声も多かったが、それでも大切な店舗スタッフとの信頼が失われる。だから健康保険は、費用がかかっても手を付けずに維持したのです。

2008年は店舗を縮小し、山積みの問題を解決しつつ新しい取り組みを行うという、ブレーキを踏みながらアクセルをふかす1年でした。その結果2009年、スターバックスは再び成長を始めました。
真剣に変革に取り組むスターバックスに「たかがコーヒービジネスじゃないか」と指摘するコンサルタントもいたが、シュルツは「スターバックスは人々にコーヒーを提供するコーヒービジネスではない、人々にコーヒーを提供するピープルビジネスなのです。スターバックスの文化を守るという無形の価値を理解していない」と反論しています。
また
シュルツは、なぜ創業者のかれにこのような変革ができたかについて「創業者の強みは、会社の基盤となるブロックの1つ1つを知っているところだ。その知識が、成功に必要な情熱を呼び起こし、何が正しくて、何が間違っているかを判断する直感につながる。しかし外側から新鮮な視点でみることができなくなっています。」と語っています。
タバは世界に通用する「スターバックスらしさ」という価値観を持っていたおかげで急速にグロール化し、「らしさ」を見失って低迷し、再び、「らしさ」を徹底追及して復活したのです

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