【簡単】リカードの経済学および課税の原理

リカードの経済学および課税の原理 経済

「リカードって誰? 『経済学および課税の原理』ってどんな内容? 差額地代論って? 比較生産説とは? 経済学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に経営学修士(MBA)の筆者が答えます。

結論

「経済学および課税の原理」とはイギリスの経済学者デイヴィッド・リカード(1772~1823)によって執筆された著書で生産物をどう分配するかが記載されています。詳細は本記事にて解説します。

本記事の参考文献

本記事の内容

リカードの生い立ち

リカードの生い立ち

ロンドンで生まれたデイヴィッド・リカード(1772~1823)は4歳の時からブローカー(株の仲買人)の父親にノウハウを仕込まれ腕を磨いたが、親から勘当され、21歳で独立の仲買人となりました。20代でアダム・スミスの『国富論』に影響され、経済評論とブローカーを兼業しました。ちなみにリカードはリカードによるアダム・スミスの労働価値説(商品の価値は労働が決めるという説)を「手間と苦労、つまり労働が、商品の真の価格を決める。価値が変動するものは、真の価格を測る尺度にはなり得ない」と批判しています。 その後頭角を現したリカードはイギリス屈指の証券業者となり、19世紀初頭のナポレオン戦争(全欧制覇を目指すナポレオンと各国の戦い)では、イギリス政府発行の国債を大量に「買う」という賭けに出たました。もしイギリスが敗戦国になれば、国債はただの紙くずとなりリカードは破産します。しかし彼はイギリス軍の勝利に賭け、ロスチャイルド家(ユダヤ系の超巨大国際金融資本)に次ぐ額の国債を買った結果、イギリス軍が勝ち、リカードは巨万の富を得て、42 歳で引退しました。引退後、リカードは下院議員になると「穀物法(外国産の安い穀物輸入を制限する法律)」を反対しました。リカードが穀物法を反対する理由を彼の著書「経済学および課税の原理」で解説します。

経済学および課税の原理

経済学および課税の原理

「経済学および課税の原理」は1817年、リカードによって執筆された著書で生産物をどう分配するかが記載されています。経済学および課税の原理の要点である「1.差額地代論」と「2.比較生産説」をそれぞれ解説します。

1.差額地代論

アダム・スミスの経済学は「生産の経済学」で生産を増大させることが、国の富を増やすという考え方でしたが、「生産物をどう分配するか」は記載していませんでした。またその他のテュルゴー (1727~1781)、セイ(1767~1832)、シスモンディ (1773~1842)といった経済学者の著書も「生産物をどう分配するか」については不明確でした。
そこでリカードは生産物に焦点を当て「生産物は地代・賃金・利潤(+租税)に分けられ、地代の問題が分かれば、富の増進が利潤や賃金に与える影響も、その後の課税がさまざまな階級に及ぼす影響も理解できるはず」と考え「分配の経済学」を構築し始めました。
まず彼は資本家が利潤を増大させ、資本蓄積(工場や機械が増えること)が進めば進むほど 商品の再生産が進み、経済は発展すると考えました。そして資本蓄積が進行すると、労働者の数を増やす必要が出るため、労働需要は高まり、労働者の賃金アップにつながる。労働者だって商品だから、品不足になれば、価格は上がる。そしてこの賃金アップはやがて、自然賃金(労働者がギリギリ生存できる費用)を超える。そうすると子育て可能な家庭が増えることで、人口が増え始めるが、人口の増加は、必然的に穀物需要を増大させる。もしここで、穀物法が制定されたら(安い外国の穀物を輸入しなかったら)、農地は次第に足りなくなり、耕作はだんだんと新たに開拓した劣等地(穀物を生産性が低い土地)でも行われ るようになる。 もしも国内に優等地(穀物の生産性が高い土地)しかなく、その国の人口ぐらい余裕で養えるほど豊かだったら、地代など発生しないが、人口が増え、食糧増産の必要が出た時から、質が低く位置が不便な劣等地での耕作も始まり、その時から地代が発生することになります。
リカードは「社会の進歩につれて、第二等の土地が耕作されるようになると、地代はただちに第一等地に始まる。そしてその地代の額は、これら2つの土地部分の質の差異に依存するであろう」と述べました。このように「価値を相対的に引き上げることにより、地代が発生する」考え方を「差額地代論」といいます。「差額地代論」に基づくと、「①人口が増え、劣等地の開拓が進めば進むほど、地代はどんどん上がるため、耕作者は地主に高い地代を払わなければならない」、「②劣等地での耕作は困難をきわめるため、より多くの労働を必要とする」ことにより穀物価格が上がるのです。
穀物価格が上がると労働者の実質賃金は下がるため、自然賃金を下回って、人口が減り、労働人口も減ります。さらに労働者不足になれば、賃金は上がります。
結局、穀物価格が上がると、人口が減り労働者の賃金が上がるのです。賃金が上がれば、資本家の利潤が下がります。なぜなら「投下労働価値説」では「①投下した労働の価値は、賃金と利潤に分配される」、「②投下労働量が一定であれば、生産物の価格は不変」と考えるため、賃金が上がれば、その分利潤は下がると考えます。資本家の利潤が下がれば、資本蓄積は減り、経済は停滞してしまうので、これを避けるためにリカードは穀物法に反対し、穀物は安価な外国産を自由貿易で買う方がいいと主張したのです。

2.比較生産説

さらにリカードは、自由貿易はなにも自国の穀物のためだけでなく、相手国にも利益をもたらすとし、比較生産説を主張しました。比較生産費説とは「アダム・スミスの分業の理論とは異なった国際分業の理論」です。例えばアダム・スミスの「絶対生産費説」では「日本はアメリカよりスマホ部品を作るのが得意だから、アメリカが特異なiPhoneと貿易で交換しよう」 のように絶対優位に基づく国際分業を唱えています。
しかし、リカードの比較生産費説は「日本は車も電子機器もあなたの国より作るのが得意だけど、あなたの国のマシな方と交換してあげてもいいよ」のように比較的に優位なモノを選ばせて分業すれば、日本も相手国も得できるという、比較優位に基づく国際分業を唱えました。

ただし、リカードはあくまで2国間で2つの製品の自由貿易を想定しているので、現実の貿易には当てはまらないと批判も多いです。

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