あなたは壁をすり抜ける|電子の共存とトンネル効果

量子力学の電子の共存 自然科学
「量子力学って何? どんな理論があるの? 電子の共存? トンネル効果? 人が壁をすり抜けられるって本当? 量子力学ってなんだか難しそうだな…

こういった疑問に物理学修士の筆者が答えます。
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@civitan

1分間量子力学〜嘘みたいなミクロな世界〜##物理 ##tiktok教室

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結論

量子力学はミクロな世界の原子やそれより小さい素粒子はどのように振る舞うかを解き明かす理論です。詳細は本記事にて解説します。

量子力学とは
原子よりも小さい物質の動きと力を扱う力学の分野
出典:オックスフォード英英辞典

本記事の内容

電子の共存

フランスの物理学者ルイ・ド・ブロイは「電子などの粒子には、波としての性質がある」と主張しました。これはアインシュタインが光は波と粒子の両方の性質があるというアイデアを電子にも当てはめたものです。
電子が波と聞くと下の画像のようなイメージをする人がいると思いますが、間違っています。

あなたは壁をすり抜ける|電子の共存とトンネル効果

実際は「確率の波」という意味で、電子は下の写真のように共存していて、存在が確率でしか表せません。そして、人によって観測されると1つの電子に収縮して、電子の存在が特定できるのです。

電子の共存と収縮

この電子の共存と波の収縮を「確率の波」で表すと下のようになります。
このように波の振幅が大きい場所ほど、電子の存在確率は高くなり、人が測定器などで観測をすると、電子の波が針状に収縮して、1つの電子が発見されるのです。

電子の確率の波

この現象はコペンハーゲン解釈とも言われ、なぜこのような非現実的なことが言われているのかというと、詳しくは割愛しますが、「電子の二重スリット実験」の実験結果から、1つの電子が違う隙間を同時に通ったとしか考えられない現象が起きるからなのです。

二重スリット実験
コペンハーゲン解釈の他にも、多世界解釈やシュミレーション仮説などがあり、現時点ではどれがが正解の可能性もあるし、複数の仮説が正解の可能性もあります。

トンネル効果

トンネル効果

トンネル効果とは電子などの粒子が、本来抜けられるはずのない壁をすり抜ける現象です。
これはなぜ起こるのかというと「エネルギーの不確定性関係」といって、電子のようなミクロな世界では短い時間であれば、本来越えられないエネルギーの壁を越えることができます。例えば私達が3メールとるの立壁を越えるのはエネルギーが足りないのでまず無理でしょう。しかし、ミクロな世界では例えエネルギーが足りなくても、短い時間であればエネルギーは色々な値を取ることができ、壁を越える(すり抜ける)ことができるのです
ちなみにトンネル効果は大きい物質になるほど起こりにくいですが、人間も壁をすり抜ける確率は完全に0ではありません。しかし、例え全人類が一生かけてチャレンジしても、誰も成功しないくらいの確率なのです。

その他のトンネル効果の例として、原子核のアルファ崩壊があげられます。アルファ崩壊とはウランなどの放射性物質の原子核がアルファ粒子と呼ばれる粒子を放出して少し軽い原子核になる現象です。
アルファ粒子は本来であれば、「強い力」で原子核にくっついて離れません。しかしトンネル効果により、「強い力」のエネルギーから脱出することができるのです

「強い力」とは物理学に代表される4つの力(重力、電磁気力、弱い力、強い力)の1つで、粒子同士をくっつける力です。その力で陽子や中性子、原子核などを作ります。

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