宇宙を支配する6つの物理定数とは|宇宙は誰がつくったのか

宇宙を支配する6つの物理定数 自然科学

「宇宙を支配する6つの物理定数って? 人間原理とは? 力はどのようにして伝わるの? 第5の力があるって本当?? 物理学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に物理学修士の筆者が答えます。

結論

宇宙を支配する6つの物理定数とは、英物理学者マーティン・リースが「6つのうちどれか1つでも値が違ったら、生命は誕生しなかっただろう」と述べた物理定数です。詳細は本記事にて解説します。

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宇宙を支配する6つの物理定数とは

宇宙を支配する6つの物理定数

宇宙を支配する6つの物理定数とは、英物理学者マーティン・リースが「6つのうちどれか1つでも値が違ったら、生命は誕生しなかっただろう」と述べた物理定数です。学者の中には「生命が誕生するようにあらかじめこの6つの物理定数は調整されていた」という説を述べる人がいます。つまりその説が正しければ「宇宙は何者かの手によって設計された」と考えられるのです。
このように必然的に生命が誕生するように宇宙ができたという考えを「強い人間原理」、対して偶然に生命が誕生するように宇宙ができたという考えを「弱い人間原理」といいいます
宇宙を支配する6つの物理定数には「1.核力ε」、「2.原子を結合する電磁気力の強さ/原子間に働く重力の強さN」、「3.実際の物質やエネルギーの密度/膨張を止める物質やエネルギーの密度Ω」、「4.宇宙の反重力の強さを示すλ」、「5.密度ゆらぎを表す指標Q」、「6.宇宙の空間次元数D」があります。それぞれの詳細を解説します。

1.核力ε

核力εは0.007で表され、陽子と中性子が相互作用する力の定数なのです。元素は原子核と電子から構成されており、電子は原子核の周りを月と地球の関係のように回っています。さらに原子核は陽子と中性子から構成されており、その陽子と中性子を結びつけている力が核力なのです。もしε=0.006だったら陽子と中性子が結合できず不安定になります。さらにε=0.008だったら2個の陽子が中性子の介在なく結合するので、この世に水素は存在できず、生命の素である水が存在できないのです。

2.原子を結合する電磁気力の強さ/原子間に働く重力の強さN

Nはどれくらい重力より電磁気力の方が強いからがわかる定数で、実際に重力より電磁気力の方が1036倍も強いため、Nは1036となります。ちなみに重力は引力のみですが、電磁気力は引力と斥力があり、電磁気力は引力と斥力で打ち消し合うため、宇宙全体で見ると重力が占めてます。
重力がもう少し強ければ、太陽の核融合反応が早く進むため、太陽の寿命が短くなります。そうなると地球で生命は誕生することができないのです。逆にもう少し重力が弱ければ原子同士が集まることができず、星のような原子の集合は誕生しないのです

3. 実際の物質やエネルギーの密度/膨張を止める物質やエネルギーの密度Ω

Ωは宇宙が膨張しているのか、収縮しているのかがわかる定数です。例えばΩ<1は開いた宇宙(負の曲率)といいます。この場合、宇宙は重力よりも膨張するエネルギーの方が小さいので、どんどん膨張していき、ビッグリップ(膨張しすぎて宇宙にある全ての物質が素粒子レベルまで分解される)という結末を迎えます。実際に私たちの宇宙はΩ<1であり、ダークエネルギーによって加速膨張しています。
Ω>1は閉じた宇宙(正の曲率)といいます。宇宙は重力よりも膨張するエネルギーの方が大きいので、どんどん収縮していき、ビッグクランチ(1点に収縮して潰れてしまう)という結末を迎えます。
Ω=1は平坦な宇宙(曲率0)といいます。宇宙は重力と膨張するエネルギーが等しいので、一定の大きさに保たれます。

4.宇宙の反重力の強さλ

λはアインシュタインが重力の方程式に取り入れた宇宙項です。アインシュタインが一般相対性理論に基づく重力場の方程式を解くと、宇宙が収縮していることがわかりました。アインシュタイン自身は宇宙は静止していると考えていたため、宇宙が収縮しないように反重力(宇宙項)λを方程式に導入したのです。

5.密度ゆらぎを表す指標Q

Qは1/100,000で密度ゆらぎを表しています。ビッグバンが起こった頃は超高温で、水素すら存在できず、電子やクォーク(元素の材料である素粒子)はバラバラに飛び交っていました。温度が冷めてくると原子核(クォークが集まった粒子)が電子を電気的に捕まえて、水素やヘリウムといった元素ができます。その頃を「宇宙の晴れ上がり」といいます。「宇宙の晴れ上がり」以前は電子やクォークに邪魔されて光子(光の基となる素粒子)は自由に飛び交うことができませんでしたが、「宇宙の晴れ上がり」以後は自由に飛び交うことができ、宇宙が明るくなったのです。ここで、水素が完全に均一に散らばっていたら星のような大きな元素の塊はできません。しかし、星があるということは水素は部分的にたくさん集まって、部分的に存在しないことになります。このように部分的に集まることを密度が濃くなったり薄くなったりすることを「密度ゆらぎ」といい、Qで表されるのですもしQが大きかったら、物質が集まりすぎたり、ほとんどがブラックホールになってしまいます。逆にQが小さかったら物質が集まらず星が誕生できないのです。

6.宇宙の空間次元数D

みなさんもご存じの通り宇宙は3次元空間(D3)でできており、生命誕生のためDは3でなければならないのです。例えば1次元の線や2次元の面では生命は誕生できず、さらに次元の高い4次元でも生命は誕生できないのです。というのも「ラプラスの方程式」と呼ばれる偏微分方程式を解くと、4次元空間では重力は距離の3乗に反比例する(3次元では距離の2乗に反比例)ので、このような重力では私たちの3次元空間のように恒星の周りを惑星が回ることはできないのです。

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