光は波なのか粒子なのか|光電効果とは

光は波なのか粒子なのか|光電効果を解説 自然科学

「光って波なの?粒子なの? 光電効果って何? 光が波である証拠は? 光が粒子である証拠ってあるの? 物理学ってなんだか難しそうだな…」

こういった疑問に理学修士(物理学)の筆者が答えます。

結論

光は波でもあり、粒子でもあります。アインシュタインは光電効果で、光の二面性をうまく説明しました。詳細は本記事にて解説します。

本記事の参考文献

本記事の内容

光は波なのか粒子なのか

光は波でもあり、粒子でもあります。アインシュタインは光電効果で、光の二面性をうまく説明しました。ここでは歴代の科学者が提唱した光の性質について解説します。

光が粒子であるニュートンの主張

光は粒子であるニュートンの主張

万有引力を発見したイギリスのアイザック・ニュートン(1643~1727)は太陽の光が体に当たると、地面に体の陰ができることから、光は物体に当たればせき止められ、当たらなかったらそのまま直進していると考え「光は粒子である」としました。なぜかというと、もし光が波であれば、海の波が堤防に当たると波が堤防を回り込むように、太陽の光も体を回り込むからです。このように波が回り込むことを回折といいます。

光が波であるヤングの主張

しかしニュートンの主張からおよそ100年後、19世紀の物理学者トーマス・ヤング(1773~1829)が光の干渉現象を発見したことで「光は波である」と主張しました。ではなぜ、光は海の波のように回折しないのかというと、波長が短いからです。可視光の波長は380nm~770nm(0.00038mm~0.00077mm)で,海の波と比べて遥かに波長が短く、太陽の光が体を回り込むような回折は起こらないのです。つまりニュートンの主張は間違えていたことになります。

光電効果

光電効果

さらにドイツの物理学者フィリップ・レーナルトは「光電効果」の実験で光の奇妙な性質を発見します。
光電効果とは、原子核の周りを回っている電子に光(エネルギー)が与えられると、電子はエネルギーを獲得して原子核の外に飛び出る現象です。マクスウェルの理論では、光(電磁場)のエネルギーは波の振幅で決まります。つまり、明るい光(波の振幅の大きい光)ほどエネルギーが強く、飛び出す電子のエネルギーも大きくなるはずなのです。しかしその予想とは裏腹に、レーナルトは光電効果で以下のような光の性質を発見しました。

  1. 電子はある一定以上の振動数の光でなければ、どんなに明るい光でも飛び出さない。
  2. 電子は振動数の大きい光を当てると飛び出すが、振動数と飛び出す電子の量は関係ない
  3. 電子はある一定以上の振動数の光を明るくすると、たくさん飛び出す。ただし光の強さと、電子が飛び出すエネルギーとは関係ない。

マクスウェルの理論で予想した現象と、レーナルトの実験結果での現象は矛盾した結果となりました。このことから、光は本当に波なのかどうか再度疑われることになったのです

光は波でもあり粒子でもあるアインシュタインの主張

この矛盾に終止符を打ったのがドイツの物理学者アルベルト・アインシュタイン(1879~1955)です。アインシュタインは「振動数νの光は波であり、運動エネルギーhνを持つ粒子でもある」とする光量子化説を提唱し、レーナルトの実験結果を上手く説明したのです。どういうことかというと、今までは光の波が電子にエネルギーを与えて、電子が原子核から飛び出したと考えられてきましたが、アインシュタインは光の粒子(光子)が電子にぶつかってエネルギーを与え、電子が原子核から飛び出したと考えたのです。こう考えると、明るい光とはエネルギーが高い光ではなく、ただ光子の数が大きいだけと考えることができ、電子が飛び出すかどうかは関係ないことがわかります。逆に振動数が大きければエネルギーが高くなるので、ある一定の振動数以上になると原子核の周りの電子が飛び出せるのです。ちなみにアインシュタインはこの光量子化説によりノーベル物理学賞を受賞しました。

光は波では北極星が見えない

人間の目には約1億個の視細胞があり、1019J(ジュール:エネルギーの単位)以上の光エネルギーを受けると視細胞内で化学変化が起き、脳に視覚の信号を送ります。これが人間が光を感じるプロセスです。
しかし北極星の光が波だとすると、そのエネルギーは毎秒4.5×10-24Jと計算できます。これでは北極星は肉眼で見れないことになります。
しかし光を粒子と考えると毎秒4.5×10-16Jと計算でき、視細胞が化学変化するのに十分なエネルギーとなります。ちなみ人間の目が光を感じるには光子30個ほどで、毎秒4.5×10-16Jは光子1,200個と置き換えるとができるので、光子の数からも十分に北極星の光を視覚できることがわかります

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