【簡単】ニュートリノとは|種類やニュートリノ振動

ニュートリノとは|種類やニュートリノ振動 自然科学
【簡単】ニュートリノとは|種類やニュートリノ振動

「ヒッグス粒子って何? ヒッグス粒子はどうやって質量を与えるの? ヒッグス粒子はどうやって観測するの? ヒッグス粒子が質量の1%って本当? ヒッグス粒子は第5の力ってどういう意味 ? 物理学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に物理学修士の筆者が答えます。

結論

ニュートリノとは、光とほぼ同じ速さで宇宙を飛びかっていて、人の体1秒につき1兆個突き抜けている素粒子(電子やクォークのようにこれ以上分解できない粒子)です。詳細は本記事にて解説します。

本記事の参考文献

本記事の内容

ニュートリノとは

ニュートリノとは

ニュートリノとは、光とほぼ同じ速さで宇宙を飛びかっていて、人の体1秒につき1兆個突き抜けている素粒子(電子やクォークのようにこれ以上分解できない粒子)です。ニュートリノは強い力や電磁力に作用することができず、弱い力やそれより弱い重力といった力しか作用しないため、観測が非常に難しい物質なのです。例えば、電子や原子核などの電気を帯びた物質が、他の物質を通り抜けようとすると、その物質が持つ電気的な引力や反発力によって、軌道が曲げられたり、跳ね返されたりするのです。しかし、ニュートリノは電気を帯びていないので、そのまま物質を通過してしまいます。ちなみにニュートリノは弱い力の作用を受けますが、弱い力は影響範囲が非常に狭い(10-18mしかない)ので、ほとんどのニュートリノは弱い力の作用を受けずに直進します。

ニュートリノの起源

ニュートリノは1930年に、物理学者ヴォルフガング・パウリによって予言されました。パウリはベータ崩壊(原子核から電子を放出され、中性子のうちの1つが陽子に変化する現象)が起こる際に、電子が持ち出したエネルギーより、多くのエネルギーが減少していることに気づきました。これは「エネルギー保存則」に反するので、パウリは観測できない謎の粒子が電子と一緒に放出され、エネルギーを持ち出しているんだと予測したのです。

ニュートリノの発見

ニュートリノは1956年、フレデリック・ライネスとクライド・カワン・ジュニアの原子炉を使った実験により発見されました。原子炉ではウラン235(原子番号92)が1個の中性子を吸収すると、ウラン236の原子核の励起状態になります。これが核分裂を起こし、「1.バリウム(原子番号56)」と「2.クリプトン(原子番号36)」の原子核、および3個の自由中性子へと変化します。
「1.バリウム(原子番号56)」の原子核はベータ崩壊を起こし、ランタン(原子番号57)の原子核に変わって、さらにベータ崩壊を起こし、セリウム(原子番号58)の原子核変わります。この2段階のベータ崩壊で陽子の数は2個増えており、中性子の数は2個減って、2個の反ニュートリノが放出されます。
「2.クリプトン(原子番号36)」の原子核はベータ崩壊を4回起こしたあと、ジルコニウム(原子番号40)に変わり、4個の反ニュートリノが放出されます。つまり、ウラン236の放射性崩壊は合計6個の反ニュートリノが放出されます。この反応でライネスとカワンはニュートリノを観測できたのです
前述したようにニュートリノは、力に作用しにくく観測が難しい、観測するには原子炉のように大量のニュートリノを発生させる必要があったのです。

ニュートリノ振動の発見

ニュートリノ振動とは

ニュートリノ振動とは、ほとんど光速で進んでいるニュートリノが、いつの間にか別の種類のニュートリノに変化する現象です。スーパーカミオカンデは円柱状で5万トンもの純水が入っており、内側の側面には「光電子増倍管」という高感度センサーが敷き詰められている装置です。ニュートリノが水分子と衝突するとミュー粒子や電子といった、荷電粒子(電気が帯びている粒子)に変わります。さらに荷電粒子は水中の光速度を超えると「チェレンコフ光」と呼ばれる光を発します。これは音速を超えると「ソニックブーム」が発生する原理と似ています。スーパーカミオカンデは「チェレンコフ光」を「光電子増倍管」で観測することで、ニュートリノの存在を観測しているのです。ちなみにニュートリノは1日に100京個ほどスーパーカミオカンデを通り抜けますが、実際に観測できるのは20~30個ほどなのです
梶田隆章氏は、宇宙線と大気によって作られるミューニュートリノの数が、上空と地球の裏からやってくるとでは数が違うことをスーパーカミオカンデで観測しました。これは地球の裏からやってくるミューニュートリノの一部がタウニュートリノに変化したからです。これがニュートリノ振動発見となりました。
ちなみにアインシュタインの特殊相対性理論では、光速で進む物質は時間が経たないので、変化することができません。また光速で進む物質は質量が0とされています。しかし、ニュートリノが変化するということはニュートリノは光速で進んでいない、すなわち質量が0ではないということもわかったのです

ニュートリノの種類

ニュートリノには電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノの3種類あります。それぞれ電気的に中性のため、反対の電荷を持つ反物質(反電子ニュートリノ、反ミューニュートリノ、反タウニュートリノ)は基のニュートリノと同一という説もあります。また他にもニュートリノを発生源から区分して「大気ニュートリノ」、「太陽ニュートリノ」、「宇宙誕生直後のニュートリノ」と呼びます。それぞれを解説します。

大気ニュートリノとは

大気ニュートリノとは宇宙空間から飛んできた宇宙線(高エネルギーの陽子)から生み出されるニュートリノで、地球の大気分子にぶつかるとパイ中間子になり、パイ中間子はすぐに壊れてミュー粒子とミューニュートリノになります。

太陽ニュートリノ

太陽ニュートリノとは太陽から放出される電子ニュートリノのことです。太陽ニュートリノもニュートリノ振動を起こすので、この電子ニュートリノが地球に届くころには、2/3が別の種類のニュートリノに変化しているのです。

宇宙誕生直後のニュートリノ

宇宙誕生直後のニュートリノを観測できれば、未解明である誕生1分後の宇宙を解明することができます。しかし、宇宙初期のニュートリノはエネルギーが非常に低く、ただでさえニュートリは観測が難しいので、観測できません。そこで、次世代の研究として、ニュートリノが超伝導体の壁を反射する性質を使う方法が研究されています。これを使うとニュートリノを1点に集めることが理論的に可能なのです。

ヒッグス粒子や物理について知りたい方
↓中学生から社会人にオススメ↓

↓大学生や社会人にオススメ(初学者OK)↓

↓さらに物理学について知りたい方は↓

コメント

タイトルとURLをコピーしました