【簡単】記憶が上書きされた事例3選

【簡単】記憶が上書きされた事例3選 心理学

「私たちの記憶は本物? 記憶は上書きや書き換えられるの? 記憶が上書された事例を知りたい。 心理学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に物理学修士&MBAの筆者が解説します。

結論

私たちの記憶の大半は上書きされたもので、睡眠療法や、他者からの証言によって書き換えられます。詳細は本記事にて解説します。

本記事の内容

記憶が上書きされた事例3選

記憶が上書きされた事例には「1.ジョージ・フランクリン」、「2.ポール・イングラム」、「3.1980年代の米国」があります。それぞれを解説します。

ジョージ・フランクリン

1990年、アメリカで消防士を務めていたジョージ・フランクリンは、実の娘のアイリーンに「父親は20年前に殺人を犯した。わたしはそれを目撃したけれど恐怖のあまりに忘れていて、封印していた記憶を20年後に思い出した」と、告発されたのをきっかけで、1969年に起きた8歳の少女の殺人事件の犯人 として逮捕されました。ジョージ・フランクリンは6年間刑務所に入り、1996年に釈放されました。ところが、その後に複数の学者が調査したところ、 アイリーンが語っていた状況は、全て新聞などの報道でわかることで、目撃者しか知りえない情報はなかったのです。さらにその証言には新聞の誤報も含まれていたのです。
いったいなぜ、実の娘が父親に濡れ衣を着せるような行為に及んだのでしょうか? 実は、ここに「ウソの記憶」が関係しているのです。 アイリーンは「退行催眠」という子供の頃に戻っって何をしたのかを思い出す催眠療法を受けていました。 そこではセラピストの誘導により、記憶が植えつけられてしまっていたのです。セラピスト は悪意を持っていたわけではありませんが、結果的にアイリーンにウソの記憶を植えつけてしまい、殺人事件を目撃したと思い込ませてしまったのです。

ポール・イングラム

1988年、警察官であったポール・イングラムは、二人の娘から性的な暴行を行ったとして訴えられ、2003年まで服役します。ポールは最初、否定したものの、結局は「わかった。私がやったんだ」と 詳細に何が起きたかを告白しました。さらに、娘たちをレイプしただけではなくて、子供を虐待して「赤ちゃん25人を生け贄にする」悪魔信仰の儀式に参加した、と証言したと供述したことで、全米中が大騒ぎになりました。
しかし、この事件は全くの冤罪で、この事件の怖いところは、当初は無実を主張していたポール自身の態度が、徐々に変わっていき、最終的に犯行の告白を始めたことなのです。
この事件には物証が全くなかったことから、心理学者リチャード・オフシーはポールに心理学実験を行いました。すると、ポールの自白は、まったく信用ができないことが明らかになりました。
ポールはウソの記憶が生まれやすい人だった。さらに娘たちは催眠セラピーを受けていたなど複数の要因が重なって、この冤罪が生まれたのです。

1980年代の米国

1980年代の米国では、ある日突然「幼い頃、お父さんに性的な嫌がらせを受けた、レイプされた」という事件が頻発しました。その結果、多くの人が刑務所に送られました。しかし、これらのほとんどが冤罪で、この冤罪の背景には「トラウマの記憶、衝撃的な記憶を人間は封印してしまう」 という根拠のない仮説を、多くの人が信じていたことがあげられます。
現在ではトラウマは封印されるというエビデンスはなく、トラウマは何回も思い出されるというのが一般的となっています。

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