こういった疑問に、MBA大学院生の筆者が解説します。
結論
論理的思考には、A=B、B=CだからA=Cだろうという思考をする演繹という方法があります。人はさまざまなバイアスによって、論理的思考が苦手とされています。詳細は本記事も記載します。
論理的とは
自然、合理的、または賢明に見える様
出典:オックスフォード英英辞典
本記事の内容
論理的思考の種類

1.演繹
演繹とはA=B、B=CだからA=Cだろうというように、2つの情報を関連付けて、新たな情報を必然的に導き出す論理的思考法です。
A=B
ある男性Aは案件Bを担当している。
B=C
案件Bは会社Cの業績に大きく影響する。
A=C
ある男性Aは会社Cの業績に大きく影響する。
2.帰納
帰納とは2以上の情報の共通点から新たな情報を導き出す論理的思考法です。
・「飲食業界はコロナで景気が低迷している」
・「ホテル業界はコロナで景気が低迷している」
・「娯楽業はコロナで景気が低迷している」
サービス業はコロナで景気が低迷している。
3.仮説推論
仮説推論とはAが起こる原因がBが起こる事であるという仮説をたてて、Aが今事実として起こっているなら、Bも起こっているだろうという、仮説と事実から新たな情報を推論する論理的思考法です。
「少子化問題は若者の貧困にある(仮説)」
「日本の少子化は深刻な問題である(事実)」
「日本は若者の貧困が問題となっているだろう(推論)」
4.類推
AならばC、AとBは共通点があるから、BならばCだろうという、2つの事物に共通点があると、他方の事物もそれと同じ性質をもつであろうと推理する論理的思考法です。
「夜勤をしている看護師であれば寿命が短い」
「看護師も工場作業員も夜勤をしている」
「夜勤をしている工場作業員であれば寿命が短い」
人が論理的思考を苦手な理由

1.限定合理性
人の思考は時間的制約、知識的制約、資源的制約と様々な制約の中で行われており、その制約の中での合理性しか保証できないということです。
例えば仕事で失敗して、上司やバイトリーダーに「なんでそんなことしたんだ!考えたらわかるだろ!」とマウントを取られることってあると思います。これは「後知恵バイアス」と呼ばれる現象で、上司は十分に考える時間と「失敗した」という事実があるからそういうマウントを取れるのであって、部下は限られた時間と情報で仕事をしなければいけないという「限定合理性」が原因で起きる失敗なのです。
バイアスとは
多くの場合、公正な判断に基づかない、あるグループの人々、または議論の一方の側に賛成または反対する強い感情
出典:オックスフォード英英辞典
2.フレーム問題
論理的に突き詰めればつきつめるほど、どこまでも思考が深まってしまい、いつまでたっても意思決定できないことです。
「もしこういう時はどうしよう…」と考えだすと、 いつまでも行動できなくなります。
3.認知的けちんぼ
「できるだけ労力はかけたくないな…後々のために、力は極力温存したい」という人の性質です。
4.ヒューリスティック
経験則に基づいた非論理的思考のことです。有名なものに「リンダ問題」というのがあります。
リンダ問題
リンダという女性がいます。彼女は独身で、とても頭がよく はっきりとものを言う性格です。大学では哲学を専攻していて、 人種差別や民族差別などの社会問題に深くかかわっていました。 リンダの職業は次のどちらの可能性が高いでしょうか?
A:銀行の窓口係
B:女性解放運動を行っている銀行の窓口係
もちろん、リンダの経歴が必ず職業と結びついているとは限らないため、答えはありません。
しかしBと答える人がほとんどです。
5.認知的バイアス
人の思考そのものが完全に公平、平等に情報を評価することを苦手としていることです。
例えば人は自分があらかじめ立てている仮説の正しさを裏付けようとし、反証する反証する情報を探さなかったり、反証する情報を気づいた時には無視します。これを特に「確証バイアス」といいます。
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