
「コメダHDってどんな会社? なぜコロナ下でも強いの? フランチャイズ比率って経営にどう影響するの? 企業分析ってなんだか難しそうだな…」
こういった疑問に経営学修士(MBA)の筆者が答えます。
結論
コメダHDはFC比率(フランチャイズ比率:直営ではなく、フランチャイズとしてコメダ珈琲店を運営している割合)が96%と高く、それがコロナ下でも利益を出せる理由です。詳細は本記事にて解説します。
TikTokの1分解説
本記事の内容
1.コメダHDはどんな会社か

コメダHDとは、コメダ珈琲店などのカフェチェーン店を運営、管理する企業です。コメダ珈琲店は全国で899店舗出店しており、その96%がフランチャイズ契約(コメダHDが直営しているのはなく、希望者がライセンス料を支払ってコメダ珈琲店を営業すること)であり、コメダ珈琲店を営業するにはコーヒーやパンといったメニューを本部から買うだけでなく、以下の料金が初期費用として必要となります。
出典:コメダ珈琲店|会社案内
加盟金 | 三百万円 |
加盟保証金 (保証人数で変動) |
三百万円 ~九百万円 |
研修費用 | 五十万円 |
店舗施工指導料 | 二百万円 ~三百五十万円 |
ロイヤリティ |
千五百円/席数 |
2.コメダHDがなぜコロナ下で強いか

下表のように直近四半期では多くの飲食チェーンが苦しい状況でした。しかし、FC比率の高い企業は着実に営業利益を出しています。なぜコメダHDを含めたFC比率の高い企はコロナ下でも利益を出せるのでしょうか。
社名 | FC比率 | 販管費率 | 営業利益 |
コメダHD | 96% | 17% | 19% |
壱番屋 | 87% | 41% | 5% |
日本KFCHD | 73% | 36% | 8% |
日本マクドナルドHD | 70% | 9% | 12% |
ドトール・日レスHD | 49% | 63% | -7% |
幸楽苑 | 3% | 80% | -9% |
ハイデイ日高 | 1% | 86% | -15% |
スシローグローバルHD | 1% | 46% | 6% |
松屋フーズHD | 1% | 71% | -5% |
サイゼリヤ | 0% | 66% | -3% |
コメダHDが利益を出せる理由は人件費や賃料の販管費が安いです。なぜなら販管費は本部ではなく、各店舗のフランチャイズ店が支払うからです。なので、コメダHDはコロナ下で売上が下がっても利益が出せるのです。逆にフランチャイズ店を持っていない(フランチャイズ率0%の)サイゼリアはお客さんが減って売上が下がると人件費や賃料が重くのしかかるのです。
この説明だけを聞くと、「コメダHDはフランチャイズ店から搾取してるじゃないか」という意見が出てくると思います。確かに「搾取」の側面もあります。しかし、フランチャイズ店は「搾取」をされても利益を出せるくらい、築きあげられたブランド力があります。また、そもそも不況の時はフランチャイズ率が高い企業が儲ける仕組みですが、好況期の時はサイゼリアなどのフランチャイズ率が低い企業の方が儲かる仕組みなのです。なので、一概に搾取とは言えない構造なのです
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