【簡単】ケインズ理論とは|ケインズ経済学5選

ケインズ理論とは|ケインズ経済学5選 経済
【簡単】ケインズ理論とは|ケインズ経済学5選

「ケインズって誰? 「雇用・利子および貨幣の一般論」って何が書いてあるの? 有効需要って? 経済学の本って難しくてわからないな…」

こういった疑問に経営学修士(MBA)の著者が答えます。

結論

英経済学者ケインズは「雇用・利子および貨幣の一般論」で、不況下でどのようにすれば失業者が無くなるかという理論を提唱しました。実際にケインズのこの理論をもとに、1960年代のアメリカで経済政策を行ったところ、失業率を低下させることができました。詳細は本記事にて解説します。

ジョン・メイナード・ケインズ(1883-1946)
アイデアが現代の政治と経済に大きな影響を与えてきた英国の経済学者
オックスフォード英英辞典:ケインズ

本記事の参考文献

本記事の内容

ケインズ理論

ケインズ理論とは英国の経済学者ジョン・メイナード・ケインズのニューヨーク恐慌のような大不況に解決策を見出そうとして作られた理論です。ケインズ理論には「1.労働市場の需要と供給」、「2.有効需要」、「3.乗数理論」、「4.流動性選好理論」、「5.積極的財政政策」があります。それぞれ詳細を解説します。

1.労働市場の需要と供給

古典派の労働市場の需要と供給

1929年10月24日ニューヨーク証券所で株価が大暴落して、世界恐慌が始まりました。その際にアメリカでは失業者が1000万人、イギリスでも100万人も発生しました。
当時の古典派経済学では、失業率が高い理由を「賃金の高いから」として説明しました。これをグラフで表すと上写真のようになります。賃金が高いとその賃金を払える会社の求人(労働需要)に比べて、その賃金でしか働かない求職者(労働供給)が多いことを表しています。つまり「日給10,000円払います」という会社の求人は100名分しかないのに、「日給10,000円以上じゃないと働かない」という人が200人いるような状態なのです。アダム・スミスの自由放任主義の理論では、自由放任に経済活動を行えば、次第に完全雇用に一致すると考えました。つまり、時間が経てば、賃金が下がって「日給8,000円払います」という求人が150人分あって、「日給8,000円でも働きます」という人が150人になるのです。

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当時の古典派経済学の定義では失業者には賃金が安いから働きたくない人(自発的失業者)か求職中の人(摩擦的失業者)の2種類しかなく、ケインズは失業者で溢れていたロンドンを見て、この古典派の理論がおかしいと思いました。そこでケインズは非自発的失業者(働きたくても働けない人)はなぜ発生するのかを、上のグラフの供給曲線(赤)を下のグラフのように書き換え、説明しました。まず賃金が下がらないのは労働者のワガママではなく、労働者が食べていけないのです。なので古典派の主張とは違い「いつかは日給8,000円でも働きます」という人はいくら時間が経っても現れないわけです。そして今の需要曲線(緑)は完全雇用になる需要曲線(青)より左にシフトしています。このシフトした分だけ非自発的失業者が発生していることになります。ケインズはこの需要曲線(緑)をいかに右へシフトするかを提唱したのです。

ケインズの労働市場の需要と供給曲線

2.有効需要

有効需要

有効需要とは「欲しいから買う」という需要で、ただ「欲しい」だけの需要とは異なっています。有効需要には消費需要(家計の出費)と投資需要(企業の出費)の2つがあり、これらの大きさの分だけ企業は財の生産をすることができます。ケインズは有効需要を増やせば雇用を拡大でき、先ほどのグラフの「完全雇用の需要曲線」にシフトできるとしたのです。
ただし、人は所得が増えるにつれて、消費に回す割合を減らしていきます。例えば年収300万円の人が生活費のために毎年全額使っていて、急に年収が1000万円に増えたとしても全額生活費に使うなんてことはありません。ほとんどの場合、1000万円の一部を貯蓄に回すでしょう。所得のうち消費に回す割合を消費性向といいます。さらに所得の増分値のうち、消費に回す割合のことを限界消費性向といいます。
結局、有効需要が上がったとしても限界消費性向は逓減するので、有効需要は減ってしまうのです。では消費需要が無理なら、もう一つの有効需要である投資需要はどうなのか、次項で解説します。

3.乗数理論

乗数の公式(乗数効果)

GDPは乗数×投資の増分であると、ケインズは上式を提唱しました。限界消費性向は所得の増加分のうち消費に回す割合なので、例えば毎月給料日前になると金欠になってる人は乗数が大きいですし、逆に趣味貯金の人は乗数が小さいです。上式からGDPは企業が投資をすればするほど増えますが、どうやったら企業が投資をするようになるのか次項で解説します。

4.流動性選好理論

利子率/お金の需要量と供給量

「利子率とは流動性を手放す対価だ」としました。つまり「財布にお金があったらいつでも買い物できるけど、お金は増えない。逆にお金を債権で持ってたら、しばらくお金として使えなくなるけど、お金(利息分)は増えるよね」ということです。これを「流動性選好理論」といいます。
ケインズは企業が設備投資するにはこの利子率を下げればいいとしました。例えば企業がお金を借りて設備投資します。その結果、設備投資で得た利益より、借金の利息の方が大きかったら赤字になってしまいます。しかし利息が低かったら、黒字になります。しかし、リスクがあるので必ず黒字になるとも限りません。
そこで、資本の限界効率(企業の利益)>利子率+リスクであれば、企業は設備投資を行うとしています。

結局どうすれば投資需要(有効需要)が増えるのかというと、上グラフのように政府が公共事業を行うと市場にお金が出回って、利子率が低くなり、企業が投資を行うようになるとしました。

近年の研究では利子率と設備投資の関係はあまりないことがわかっています。
詳細は【簡単】金融緩和に意味はあるのかを解説

5.積極的財政政策(ケインズ理論まとめ)

ケインズは失業率を下げる方法を以下のように述べています。
まず政府が公共事業を行う→利子率が下がる(利子率とお金の供給量の関係)→利子率が下がると投資が増える(利子率とお金の供給量の関係)→GDPが増える(乗数理論)→乗数が大きなる(乗数理論)→さらにGDP(乗数理論)が増える→所得が増える→需要が増える(有効需要)→雇用が増える(ケインズの需要曲線)→失業者がいなくなる(完全雇用)というストーリーを提唱しました。

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