こういった疑問にMBA大学院生の著者が答えます。
結論
外部的動機付けとは報酬でモチベーションを上げ、内部的動機付けは自らモチベーションを上げることです。詳細は本記事にて解説します。
本記事の内容
外部的動機付けとは

「報酬・脅し・競争」など、外からの働きかけでモチベーションを上げることです。
例えば、アシカショーで飼育員さんがアシカにエサを与えることで、アシカは手を振ったり、泳いだりと色々な芸をします。しかしエサが無くなったり、お腹がいっぱいになった途端にアシカは飼育員さんの言うことを聞かなくなります。これを「外部的動機付け」といいます。
外発的動機付けには、報酬で統制することでルーティンワークなどの生産性を上げることができるというメリットもありますが、報酬は使い始めたら、後戻りはできないというデメリットもあります。例えば子供に「1時間勉強したらおこずかいをあげる」と約束すると、おこずかいがなくなると勉強しなくなりますし、報酬に関心を持つと、報酬獲得のために最短で手っ取り早い方法を選択します。
例えば、子供に「1時間勉強したらおこずかいをあげる」と約束すると、簡単な問題を1時間解き続けて、難しい問題にチャレンジしなくなります。
内部的動機付けとは

心理学者ハリー・ハーロウが提唱した、「好奇心・探求心」など、外からの働きかけがなくモチベーションが上がることです。
例えば、ハーロウは、サルの檻にパズルを入れた結果、何の報酬も与えてないのにサルは熱心にパズルを解き始めたといいます。
内部的動機付けを高めるには
有能性、関係性、自律性の3つで「内部的動機付け」は高まります。有能感は「自分はこの仕事をこなせる自信がある」ということで、自分の能力を最大限に発揮し、達成した時に初めて得られます。関係性は「自分には期待がされている」と感じること、自律性を高めるには統制をやめ、人の自律性を支援することがあげられます
- 職務をこなす上での必要となるスキルの習得をきちんとサポートする (有能性欲求の満足)
- きちんと気にかけてあげる(関係性欲求の満足)
- 褒めるべきところは褒める(有能性・関係性欲求の満足)
- 叱るときにも相手の有能性や関係性認知を損なわないようにフォローする (有能性・関係性欲求の満足)
- 可能な範囲でできるだけ相手の行動決定の余地を残す(自律性欲求の満足)
- 相手の話をよく聞き、相手の決定を尊重する(自律性欲求の満足)
外部的動機付けは内部的動機付けを低下させる

デシの実験パターン1
ロチェスター大学心理学教授エドワード・L・デシは、学生を2グループに分け、1つはパズルを解くと金銭報酬を与える条件、もう1つは報酬を与えない条件で、30分間パズルを解かせました。両グループともに熱心にパズルを解いたが、その休憩時間に変化が現れました。
無報酬チームは「パズルが面白い」と思って、休憩時間もパズルを解き続けましたが、報酬チームはやめてしまいました。
これは「人は自立性を持ちたい」と思っているからです。誰かに統制されると自律性が弱まります。
デシの実験パターン2
デシは「パズルが解けないと罰にする」という脅しの文句を使って実験をしました。パズル時は順調に進むが、楽しむ感覚はすっかり消えていました。
デシの実験パターン3
デシはパズル解きのスピードを上げるグループとパズル解きのタイム競争させるグループに分けて、パズルを解かせました。
すると、パズル解きのスピードを上げるグループの内部動機付けは変わらなかったですが、パズル解きのタイム競争させるグループの内部動機付けは弱まってしまいました。
その他の実験
無給で大学新聞を手伝っていた学生に報酬を支払った。お金が尽きて報酬が払えなくなると、学生は仕事に興味を失ってしまいました。
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