【簡単】ヒッグス粒子とは|原理や観測を解説

ヒッグス粒子とは|原理や観測を解説 量子力学

「ヒッグス粒子って何? ヒッグス粒子はどうやって質量を与えるの? ヒッグス粒子はどうやって観測するの? ヒッグス粒子が質量の1%って本当? ヒッグス粒子は第5の力ってどういう意味 ? 物理学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に物理学修士の筆者が答えます。

結論

ヒッグス粒子とは電子の約25万倍の質量を持っており、素粒子(これ以上分解できない粒子:例えば電子やクォークなど)に質量を与える物質です。詳細は本記事にて解説します。

本記事の参考文献

本記事の内容

ヒッグス粒子とは

ヒッグス粒子とは

ヒッグス粒子とは電子の約25万倍の質量を持っており、素粒子(これ以上分解できない粒子:例えば電子やクォークなど)に質量を与える物質です。質量とは物質の動かしにくさを表している指標で、私たちの空間に満たされたヒッグス粒子によって光子以外の素粒子はゆっくり進めるのです。もしヒッグス粒子がなければ、あらゆる素粒子は常に光速で移動することになります。ヒッグス粒子に関して「1.ヒッグス粒子が質量を与える理由」、「2.宇宙初期のヒッグス粒子」、「3.ヒッグス粒子の観測」、「4.ヒッグス粒子は質量の1%のみ」、「5.ヒッグス粒子は第5の力」を以下に解説します。

ヒッグス粒子が質量を与える理由

ヒッグス粒子が素粒子に質量を与える理由

なぜヒッグス粒子が素粒子に質量を与えるのかというと、素粒子がヒッグス粒子と衝突する確率で動かしにくさが決まるからです。例えば光のもとである光子は、ヒッグス粒子に衝突する確率が0です。なので、光子は光速で移動することができます。逆に言うと光速で移動することしかできません。それに対して電子やその他の素粒子(ウィークボゾンやニュートリノなど)は、ヒッグス粒子に当たる確率があり、当たる確率が高ければその分、質量も大きくなるのです。このような仕組みをヒッグス機構といいます。ちなみにウィークボソンという、「弱い力」を伝える素粒子は、電子の質量の15万倍ほどあります。つまり、電子よりヒッグス粒子に当たる確率が遥かに高いのです。

宇宙初期のヒッグス粒子

ビッグバンの直後の宇宙はヒッグス粒子はありませんでした。つまりあらゆる粒子の質量は0で、光速で飛び回っていたのです。しかし、宇宙が膨張して温度が下がると、真空の相転移(水が氷になるような)が起き、ヒッグス粒子が多くの素粒子の運動を邪魔するようになりました。

ヒッグス粒子の観測

2012年、スイス・ジュネーブの郊外にあるLHC(大型ハドロン加速器)による陽子の加速実験で、ヒッグス粒子が観測されました。LHCとは1周27kmのドーナツ型の実験装置で、陽子をほぼ光速まで加速させることができます。LHCで加速させた陽子同士を衝突させると、衝突したエネルギーで真空中のヒッグス粒子を叩き出されるのです。叩きだされたヒッグス粒子はすぐに崩壊して、ランダムに別の素粒子に変わります。実際はヒッグス粒子を観測することはできず、ヒッグス粒子が崩壊してできた光子2個の質量を観測して、ヒッグス粒子を特定するのです。ちなみにこの衝突実験は1100兆回行われ、そのデータからヒッグス粒子発見に至ったのです。

ヒッグス粒子は質量の1%のみ

素粒子の質量はヒッグス粒子によって与えられますが、実は素粒子より大きい原子や原子から出来ている私たちの身の回りのものの質量は、ほとんど強い力のエネルギーなのです。強い力とは原子核を構成している陽子と中性子の間に働いたり、陽子を構成するクォークの間に働く力で、電磁気力より強いことから「強い力」と名付けられました。アインシュタインの特殊相対性理論E=mc2では質量はエネルギーであるという、質量とエネルギーの等価式が提唱されてました。この式より、強い力のエネルギーは質量に換算でき、その質量が私たちの身の回りにあるものの質量の99%を占めているのです。

ヒッグス粒子は第5の力

物理学では「重力」、「電磁気力」、「弱い力」、「強い力」の4つの力があり、ヒッグス粒子はこれら4つ力以外の力なのです。例えば電磁気力とは、電磁場に電荷を持った粒子が通ると力の影響を受けます。これと同じようにヒッグス粒子がもたらす力は、ヒッグス場に粒子が通るとその粒子に質量を与えます。つまりヒッグス場がもたらす第5の力とは質量を与えることで粒子の状態を変える力なのです。

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