【簡単】ヒッグス粒子の相転移|4000兆度の世界

【簡単】ヒッグス粒子の相転移|4000兆度の世界 量子力学

「ヒッグス粒子って何? ヒッグス粒子ってどうやって発見されたの? ヒッグス粒子の相転移を知りたい。 ヒッグス粒子の歴史を知りたい。 物理学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に物理学修士の筆者が答えます。

結論

ヒッグス粒子は英物理学者ピーター・ヒッグス(1929)により提唱され、2012年にLHC(大型ハドロン加速器)により発見された「素粒子(これ以上分解できない小さな物質)に質量を与える素粒子」です。詳細は本記事にて解説します。

本記事の参考文献

本記事の内容

ヒッグス粒子とは

ヒッグス粒子の相転移|4000兆度の世界

ヒッグス粒子は英物理学者ピーター・ヒッグス(1929)により提唱され、2012年にLHC(大型ハドロン加速器)により発見された素粒子(これ以上分解できない小さな物質:電子、クォーク、光子など)に質量を与える素粒子です。
ヒッグス粒子は角砂糖サイズの中に1050個つまっていて、素粒子が移動するのをヒッグス粒子が邪魔をするため、質量が与えられるのです。しかし、光子(光の粒)だけはヒッグス粒子とぶつからないため、質量がなく光速で飛び回ることができるのです。
ヒッグス粒子は発見されている素粒子の中で唯一スピンがありません。スピンとは素粒子がコマのように回転していることで、その回転の強さは素粒子ごとで決まっています。しかし、ヒッグス粒子がスピンがないことは、素粒子は固有のスピンを持っているという今までの物理学常識が覆ることになるのです。そこでヒッグス粒子は私たちの住んでいる3次元空間ではなく、それ以上の4次元や10次元空間といった多次元でスピンをしていると指摘する物理学者もいるのです。

実はヒッグス粒子にヒッグスという名前がついたのは日本の物理学者南部陽一郎師が関係しています。1964年にヒッグスが書いた論文のレフリー(学術雑誌の審査員)が南部氏で、南部氏は「このままだと(二カ月前に別の科学者によって投稿された論文と同じ内容のため)学術誌に掲載できないが、このアイディアを使ったら、新しい粒子があることがわかるのだから、その一行を加えたらいいのではないか」と勧められたことから、ヒッグスはヒッグス粒子に関する一行をつけくわえました。もしこれがなければ、ヒッグス粒子はまた別の名前になっていたのです。

ヒッグス粒子の発見

ヒッグス粒子は2012年にスイスにあるLHCと呼ばれる「陽子を光の速さくらいまで加速させる装置」で発見されました。素粒子物理学では5シグマ(99.99994%)ないと発見したとは言えないため、LHCを使って5シグマの条件を満たすまで実験が繰り返されました。実験は2つの陽子を光の速度くらいまで加速させて衝突させるもので、その衝突させたエネルギーで真空中のヒッグス粒子を叩きだすのです。ただし、ヒッグス粒子はすぐに崩壊してしまうので、崩壊した後の粒子(レプトンや電子)の質量分布を計測してヒッグス粒子を証明するのです。

1シグマとは標準偏差(偏差値)50に10を加えた標準偏差60で、2シグマとは標準偏差70、3シグマでは標準偏差80(99.7%)となり、3シグマでもまだ発見とは言えず、証拠を捕まえたといいます。

ヒッグス粒子の相転移

ヒッグス粒子は4000兆度を越えると相転移を起こします。相転移とは氷が水になるように、ある温度を境に状態が変化することです。氷が水になると水滴が自由に移動するように、凍ったヒッグス粒子が相転移すると空間を自由に動けるようになります。こうなるとヒッグス粒子は「素粒子に質量を与える」という仕事をしなくなります。なので4000兆度の世界ではどの素粒子も質量0になって、光速で飛び回ることになります。素粒子の質量が0になるということは、物理学4つの力(重力、電磁気力、弱い力、強い力)がなくなることも意味しています。例えば電磁気力は遠くまで力を伝えることができます、なぜなら電磁気力を伝える素粒子である光子は質量0だからなのです。逆に弱い力は10-17mという非常に近いしか力を伝えることができません、なぜなら弱い力を伝える素粒子であるWボゾンは比較的重たいからなのです。なのでヒッグス粒子が相転移を起こし、Wボゾンの質量が0になると電磁気力と弱い力の区別がつかなくなるのです。
実際に宇宙が誕生した頃は、超高温高密度な状態で物理学4つの力は区別されませんでした。温度が冷めてくると、まず重力が分離して、次に強い力、最後に弱い力と電磁気力が分離したのです。ちなみに「私たちの体重もヒッグス粒子が原因?」と思うかもしれませんが、ヒッグス粒子は私たちの体重の1%しか関係ありません。じゃあ残りの99%は何なのかというと強い力なのです。私たちの体は素粒子であるクォークなどが集まってできています。そのクォーク同士をくっつける力が強い力なのですが、アインシュタインのE=mc2よりエネルギーと質量は同じものなので、強い力のエネルギーが質量になっているのです。なので私たちの体重の1%がヒッグス粒子、残りの99%が強い力によるエネルギーということになります。

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