【簡単】隷従への道|ハイエクの社会主義批判

隷従への道|ハイエクの社会主義批判 経済
【簡単】隷従への道|ハイエクの社会主義批判

「隷従への道って何? なぜイギリスでは社会主義が流行したの? ハイエクはなぜ社会主義を批判したの? 経済学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に経営学修士(MBA)の筆者が答えます。

結論

『隷従への道』は1944年にフリードリヒ・アウグスト・フォン・ハイエクが執筆した著書で、社会主義を批判しています。詳細は本記事にて解説します。

本記事の参考文献

本記事の内容

隷従への道とは

ハイエクの隷従への道(イギリスの社会主義ブームとハイエクの社会主義批判)

『隷従への道』が執筆された1944年頃、イギリスでは「社会主義」がブームでした。自由放任主義の申し子であるイギリスがなぜ社会主義に傾倒したのか理由とハイエクが社会主義批判をそれぞれ解説します。

イギリスで社会主義が流行した理由

イギリスで社会主義が流行した理由には「1.社会主義国家の実態」、「2.知識人たちのプロパガンダ」、「3.ニューディール政策」、「4.ファシズムの対極のイデオロギー」、「5.イギリス労働党」、「6.低迷するイギリス経済」、「7.新しい自由」があります。

1.社会主義国家の実態が不明だった

当時、歴史の浅い社会主義国家の実態があまり知られていませんでした。例えばソ連は非人道的な抑圧国家であるといった情報は得られなかったのです。

2.知識人たちのプロパガンダ

国民は知識人たちの「社会主義国家は、理性と科学で貧困を克服した理想社会」といったプロパガンダを鵜呑みにしていました。

3.ニューディール政策

世界恐慌の対策として「ニ ューディール政策」といった「計画経済」が評価されていた時期でもあった。
アメリカは1930年代、ケインズ理論の実践(というか社会実験)ともいえる「ニューディ ール政策」を実施した。その内容はご存じの通り、政府による市場経済への介入、つまり一種の計画経済だ。それまで「市場は自由放任」というアダム・スミス以来の常識にとらわれていた経済学者たちは、このやり方に驚き、感心した。しかもケインズはイギリス人。イギリスでは計画経済に対する評価が、一気に高まった。

4.ファシズムの対極のイデオロギー

1940年代は「ファシズムと社会主義は、対極のイデオロギー」と考えられていてた。両者とも計画経済という点では同じでしたが、ファシズムは世界を震撼させているドイツの体制、もう一方はイギリスと同じ連合国のソ連体制でした。

5.イギリス労働党

1942年、イギリス労働党は以下のような内容が書かれたパンフレット「古い社会と新しい社会」を発行しました。
無計画な競争経済に回帰しない。計画的な生産が民主主義の基本。基本的な生産設備の国有化。農工業の統制キープ。利益争奪戦の阻止。
また同年発表された「ベヴァリッジ報告」では、「ゆりかごから墓場まで」をスローガンに社会保障の完備を説き、福祉国家イギリスのビジョンが示されていました。

6.低迷するイギリス経済

イギリスは自由放任経済により、産業革命以降は圧倒的な経済成長をみせていました。彼らにとっては「自由競争 = イギリスの圧勝」であり、 国民はその自由からくる繁栄に酔いしれていました。
しかし19世紀の後半に入ると、強いライバル国の出現や国内における貧富の差などで次第に陰りが見え始めます。しかし、自由主義(小さな政府)の基本原則は「政府は必要最低限しか民間に介入しないこと」であり、これでは経済成長や格差が根本的に改善できず、人々は不満を募らせてきました。

7.新しい自由

ほとんどのイギリス国民は、「新しい自由」という言葉のせいで、社会主義になることが自由を捨てることだとは思っていませんでした。
従来の自由主義が「圧政からの自由」(絶対王政を倒して得た権利的な自由)であれば、社会主義は「貧困からの自由」という認識だったのです。

ハイエクの社会主義批判

ハイエクの社会主義批判には「1.ファシズムと社会主義の共通性」、「2.具体的手段」、「3.独占と計画経済」、「4.高潔な理想主義者」、「5.非金銭的な報酬」があります。

1.ファシズムと社会主義の共通性

ハイエクは、全体主義(個人の思想や生活は国家全体の利益に従うべきという考え方)では、国家の要求がすべての個人の好みや望みに優先するため、国家はあらゆる手段を使って個人から選択の自由を奪おうとすると主張しました。

2.具体的手段

社会主義の目指すものは「社会正義や平等と保障の拡大」であり、そのための具体的手段が「民間企業の廃止/生産手段の私有禁止/中央集権的な計画経済の導入」だ。社会主義者を自称する人の多くは、「目指すもの」の方だけを見て、この思想を熱烈に支持する。だが 「具体的手段」に目を向けた人の中は、その手法に自らの価値観を脅かす危険性を感じ取り、支持を拒むことも多い。それでも、この具体的手段まで含めて社会主義を支持する人も多い。

3.独占と計画経済

「独占の弊害をなくすためには、計画経済が必要」という意見があるが、ハイエクは独占が現れた国は産業の未熟なアメリカとドイツだったことから、現実の独占は産業発展の帰結ではなく、 国家の手助けという「計画的な意図」をもったものが多いとしました。従って独占に関しては「独占禁止法」を発動すれば、再び競争経済は復活するとしました。

4.高潔な理想主義者

社会主義国で計画を立てる人は、共産党のト ップで、彼らが高潔な理想主義者であったとしても、す べての人の価値観をカバーできる計画など立てられません。
従ってハイエクは現実の計画経済はストレスフルな計画を、多くの国民が強制されることになると主張しました。また専門家を重視し、議会と多数決は軽視され、細かい利害調整はなされなくなるため、計画経済の帰結は民主主義ではなく独裁だとしました。

5.非金銭的な報酬

計画経済では、貧富の差を解消するため、報酬を金銭から勲章・特権・住宅・余暇・旅行・教育機会といった非金銭的なものにしようとします。つまり、 消費も自由が無くなるのです。また計画経済では休暇の取得や職業選択の自由もなくなります。

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