こういった疑問に経済・経営研究科の著者が答えます。
結論
グループで働くとサボる人や、プレッシャーでパフォーマンスが落ちる人が出てきます。詳細は本記事にて解説します。
集団化
同じ興味、目的、または特徴を持ち、多くの場合、より大きなグループの一部である多くの人々または組織
オックスフォード英英辞典:grouping noun – Definition, pictures, pronunciation and usage notes | Oxford Advanced Learner’s Dictionary at OxfordLearnersDictionaries.com
本記事の内容
1.社会的抑制
集団での仕事において、簡単な課題や機械的作業ではパフォーマンスが向上します。 例えば一流アスリートは観客が多い程、自分のパフォーマンスを上げることができます。これを「社会的促進」といいます。
一方、難しい課題では、パフォーマンスが低下します。これを「社会的抑制」といいます。例えばプレゼン前ではカンペ無しでしゃべれていたのに、本番は話すが飛んでしまうことです。
2.フリーライダー現象
フリーライダーとはタダ乗りの意味であり、集団では自分の資源(労力、もの、お金など)を使わず済ます人のことです。
例1 リンゲルマン効果
大勢で綱引きをする際は手抜きをする人が出てくる現象です。
例えば表のように1人では100%の力を発揮しますが、8人だと49%の力しか発揮しないようになります。これは全力の人もいれば、明らかに手を抜いてる人もいる事を表しています。
人数(人) | パフォーマンス/1人 |
1 | 100% |
2 | 93% |
3 | 85% |
8 | 49% |
例2 その他フリーライダー現象
選挙に行かない人もフリーライダー現象です。「どうせ行かなくても結果は変わらないし、他の人にまかせよう」という心理が働いています。
3.同調
同調とは「おかしい」と思っていても、周りがみんな「おかしい」行動をしていると、自分も意に反して、その行動をしてしまう現象です。
アッシュの同調実験(集団化のデメリット)
心理学者ソロモン・アッシュは「6人のさくらと1人の被験者がいる部屋で、質問を20回繰り返しまし、さくらの6人はわざと全員で回答を間違えたり、正しく答えたりする」という実験を行いました。
その結果、被験者は平均36.8%も誤答を選んでしまいました。
このことから「人は正しい回答より、集団の回答を優先してしまうことがある」ということがわかります。
4.集団極化
集団極化とは集団討議によってグループとしての結論を出す時、結論はメンバーの意見を平均したような意見よりも、当初優勢だった意見へと極化してしまうことです。
5.集団浅慮
凝集性が非常に高い集団において、集団内の意見の一致を過度に追求するような雰囲気が生じ、非常に誤った意思決定をしてしまうこと。
例えばスペースシャトル「チャレンジャー号」について、技術者達はエラーの可能性があることを述べていたにも関わらず、 NASAの幹部は「これまでの打ち上げで問題がなかったのに、今回だけ問題が起 こるとは考えにくい」という理由で警告を無視して爆発事故を起こしました。
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