反証主義とは|反証可能でなければ科学でない

反証主義とは|反証できないものは科学でない 自然科学
反証主義とは|反証可能でなければ科学でない

「反証主義って? 反証可能ってどういう意味? 帰納法や確証原理は科学じゃないの? 哲学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問にMBA学生の筆者が答えます。

結論

反証主義とは英物理学者カール・ポパーが提唱した「反証可能でなければ科学でない」という理論です。詳細は本記事にて解説します。

本記事の内容

反証主義とは

反証主義とは英物理学者カール・ポパーが1959年に提唱した「反証可能でなければ科学でない」という理論で、帰納法や確証原理を否定しました。それぞれの詳細はを以下に解説します。

帰納法とは

帰納法とは複数の事実から共通点を見つけ出し、その共通点を結論とする推論方法です。例えば今年の1月は寒かった、去年の1月も寒かった、おととしの1月も寒かったという事実から「寒い」という共通点を見つけて、「1月は寒い」と結論づけるのです。このように個別的な前提から普遍的な結論を導く推論方法を帰納法といいます
帰納法は簡単で使い勝手の良い推論方法と思えますが「100%正しいわけではない」という欠点があるのです。例えば100年の間、1月は寒かったとしても、1000年後や2000年後は温暖化の影響で1月は暖かいかもしれないのです。
また帰納法のもう1つの欠点は「帰納法は帰納法でしか正当化できない」ことです。例えば帰納法を使って1月は寒いことを結論づけました。そして次の1月も寒かったとします。一見、帰納法が証明されたように思えますが、これは正しいかどうかわからない帰納法を使って帰納法を証明したにすぎないので、結局正しいかどうかはわからないのです。

ちなみに演繹(えんえき)法とは複数の事実を組み合わせて1つと結論とする推論方法です。例えば「1月は寒い」という事実と、「寒いとコートが必要になる」という事実を組み合わせて「1月はコートが必要になる」と結論づけることができます。このように普遍的な結論から個別的な結論を導く推論方法を演繹法といいます。

確証原理とは帰納法を正当化しようとする理論で、事実が多ければ多いほど、法則の確証度がアップするという原理です。例えば2年間の気温を測定して、「1月は寒い」という結論づけるより、200年間の気温を測定して「1月は寒い」と結論づける方がより確証度がアップするのです。
しかし、確証原理にも「対偶命題と論理的に同値」という欠点があります。例えば「1月は寒い」という命題の対偶命題は「1月でなければ寒くない」です。つまり12月や2月が寒かったら確証度が下がってしまうのです。

反証主義とは(詳細)

カール・ポパーは帰納法や確証原理は科学的ではないと否定しました。さらにポパーは、反証できる理論こそ科学的であるとし、「問題→暫定的理論→誤りの排除→新たな問題→推測と反駁(はんばく:攻撃的に反証すること)」による問題解決の連鎖が科学を進歩させるという、反証主義を提唱しました。
「反証できない理論」の代表例に占い師の理論があります。例えば占い師に「今日はラッキーな1日です」と言われた帰り道に、あなたはう〇こを踏んで、スマホと家のカギをなくして家に入れなかったとします。あなたは「全然ラッキーな1日じゃない」と占い師の理論に反証するでしょう。しかし占い師は「もしラッキーでなければ、交通事故にあって入院していた」と言うかもしれません。さらに実際に交通事故にあったとして占い師は「もしラッキーでなければ、死んでいたかもしれない」というかもしれません。このように占い師の理論は「反証できない理論」であり、科学的ではないのです。
逆に「反証できる理論」の代表例として、アインシュタインが1916年に発表した「一般相対性理論」があります。この理論が正しければ重力によって星の観測がずれることになりますが、実際に1919年の南半球で起きた、皆既日食中の恒星の位置が1.75秒角(1.75/3600°)ずれたことで「一般相対性理論」の正しさが証明されました。つまり、もしアインシュタインの理論が正しくなければ、恒星の観測者アーサー・エディトンによって反証されていたのです。

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