【簡単】合成の誤謬とは|合理的な行動がデフレを起こす

合成の誤謬 経済

「合成の誤謬って何? 合成の誤謬はなぜデフレを起こすの? 合成の誤謬を事例で知りたい。 経済学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に経営・経済学修士(MBA)の筆者が答えます。

結論

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本記事の内容

合成の誤謬とは

合成の誤謬とは

合成の誤謬とは一個人や一企業といったのミクロな視点では合理的な行動でも、個人や企業の行動が積み重なった結果、国や世界といったマクロな視点では、非合理的な行動であり、好ましくない結果となってしまう現象です。合成の誤謬は主に経済学用語として使われます。

合成の誤謬の事例

合成の誤謬の代表的な例として「デフレ」と「少子化」があります。なぜこれらの原因が合成の誤謬にあるのか以下に述べます。

デフレ

デフレとはお金の価値が上がっていく現象で、日本が経済的に低成長な理由はデフレだからだという経済学者もいます。デフレをもう少し説明すると、物を買う需要が不足して、物を生産する供給が過剰になっている状態です。もし消費や投資を拡大すれば、今度は需要が過剰になり、供給が過剰な状態であるインフレになります。日本政府を長年このインフレを目指していました。しかしデフレではお金を使うよりお金を溜めておく方が得をするので、消費や投資を拡大できず、インフレにならないのです。どういうことかと言うと、例えば100円でおにぎりが1個買えますが、デフレの場合、その100円を貯金しておくと来年には100円でおにぎりが2個買えるようになります。つまりデフレの場合はお金を貯めておく方が個人にとって、合理的な行動となるのです。しかしみんながお金を使わずに貯金をすると、物を買う需要が不足して、物を生産する供給が過剰になり、デフレがデフレを生むことになるのです。つまり、個人(ミクロ)では「お金を貯める」という合理的な行動をしているにも関わらず、国(マクロ)では「デフレ」という好ましくない結果となってしまう現象が起きてしまうのです。まさに日本国民と日本には合成の誤謬が生じていることになります。
ではどのように合成の誤謬を解決して、インフレを誘発できるのかというと、「政府介入」が必要になります。デフレ対策には社会保障費や公共事業を拡大して財政支出を増やす方法や、減税を行うことで物を買う需要を過剰にして、物を生産する供給を不足させる必要があります。実際に1930年代の米フランクリン・ルーズベルト大統領が実施したニューディール政策では、公共投資や政府支出を拡大させて、産業統制や価格規制の強化を行いました。その結果、需要を過剰にして供給を不足させること(合成の誤謬の解決)に成功したのです。

少子化

少子化もまた合成の誤謬により起こる現象です。子供を社会人まで育てるのに必要な費用は2,000万円ほどと言われており、経済的な理由で子供を持たない、あるいは1人しか持たない夫婦も多いです。こういった夫婦は彼らの収入から供を社会人まで育てるのに必要な費用を計算した上で判断しており、すごく合理的な行動だと考えられます。しかし厚生労働省の調査では日本の合成特殊出生率は2019年に1.36となっています。
出展:厚生労働省

つまり、夫婦(ミクロ)では「家計のために子供をつくらない」という合理的な行動をしているにも関わらず、国(マクロ)では「少子化」という好ましくない結果となってしまう現象が起きているのです。ちなみに少子化は労働人口の減少により経済成長が鈍化したり、国力の低下にもつながります。
これもデフレと同様に合成の誤謬が生じていることになり、これを解決するには政府介入が必要になります。例えばフランスでは子供の数が多くなるほど所得税の負担が軽くなるN分N乗方式や、第三子に重点を置く家族給付などが導入されており、かつては1.66と低い出生率だったのが、2017年には1.88と先進国では高い出生率となりました。
出展:労働政策研究・研修機構(JILPT)

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