【簡単】ダークマターとは|ダークマターの歴史や正体

ダークマターとは|ダークマターの歴史や正体 宇宙
【簡単】ダークマターとは|ダークマターの歴史や正体

「ダークマターって何? ダークマターってなんで存在が示唆されてるの? ダークマターの正体を知りたい。 物理学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に物理学修士の筆者が答えます。

結論

ダークマターとは目には見えない正体不明の暗黒物質です。詳細は本記事にて解説します。

本記事の参考文献

本記事の内容

ダークマターとは

ダークマターとは

ダークマターとは目には見えない正体不明の暗黒物質です。例えばブラックホールも目には見えませんが、ブラックホールはX線を出すため、X線を観測する事により存在を直接確認することができます。それに対してダークマターはどんな電磁波(可視光やX線)も放射しないので直接観測することはできず、周囲の天体に重力を及ぼすことから、間接的に存在が確認されているのです。
現在、宇宙の20%がこのダークマターで占めており、速度は約200km/s(素粒子にしては遅い速度)で、どんな物質にもほとんどぶつからないことが明らかとなっています。ちなみにダークマターは私たち体や部屋の壁をすり抜けて、そこら中で飛び交っているのです。

ダークマターの歴史

ダークマターの歴史

1933年、スイスの天文学者フリッツ・ツビッキーは、「かみのけ座銀河団」の質量を「力学質量」と「光度質量」の2つの方法で算出しました。
「力学質量」とは銀河団にある銀河の速度から銀河団全体の質量を求める方法です。銀河団は大きければ大きい程、移動する銀河に強い重力が働くため、銀河は銀河団を飛び出すことはできません。しかし銀河の速度が速すぎると、銀河団の重力を抜け、銀河団の外に飛んでいくことができます。つまり、銀河の速度から銀河団の重力の大きさがわかり、そこから万有引力の法則より、銀河団の質量がわかるのです。
もう一方の「光度質量」とは銀河の明るさから銀河団の質量を求めるという方法です。銀河は基本的に明るければ明るいほど質量が重たくなります。この性質を利用して銀河団の質量を求めるのです。

ツビッキーは2つの方法で「かみのけ座銀河団」の質量を求めた結果、「力学質量」の方が「光度質量」より400倍も大きかったのです。このことから、「光度質量」に含まれない、つまり目には見えない謎の質量が存在することがわかったのです。この研究がきっかけで、ダークマターの存在を示唆されるようになりました。

かつてのダークマター候補

かつては「原子」や「褐色矮星」、「ニュートリノ」などがダークマター候補としてあげられていました。それぞれの詳細と、これらがなぜダークマターではないのかを解説します。

原子

原子はダークマター候補としてあげられましたが、原子の材料である陽子と中性子の総質量がダークマターの1/5しかないことがわかり、ダークマター候補から外れました。

褐色矮星

褐色矮星とは太陽より軽いため、太陽のように燃えることができない暗い天体です。太陽のように燃えるには太陽の0.08倍の質量が必要なのです。この褐色矮星もかつてはダークマター候補でしたが、宇宙にある暗い天体の総質量は宇宙の全体の10%しか満たず、褐色矮星はダークマター候補から外れました。

ニュートリノ

最後にニュートリノ(非常に軽く、なんでも通り抜けてしまう素粒子)もダークマター候補としてあげられましたが、ダークマターは速度が遅い物質であるのに対して、ニュートリノは光速近くで移動する速い物質であったたことや、宇宙全体のニュートリノの総質量がダークマターの質量の1/15以下だったため、こちらもダークマター候補から外されました。

現在のダークマター候補

現在ではニュートリノの超対称性物質「ニュートラリーノ」や、仮想素粒子「アクシオン」がダークマター候補としてあげられています。それぞれを解説します。

ニュートラリーノ

ニュートラリーノとはニュートリノの超対称性粒子で、陽子の1000倍程度の質量をもつ遅い素粒子とされています。超対称性物質とは、超空間(グラスマン数で表した空間:グラスマン数とは同じ数同士をかけると答えが0になる数)を振動する物質で、まだ発見されていません。仮にニュートラリーノがダークマターだとすれば、0.001個/m3の密度で存在することになります。

アクシオン

アクシオンは質量は非常に軽いものの速度は遅い、未発見の素粒子で、強い磁場の影響を受けるほど光子に変わる確率が上がるという性質を持っています。仮にアクシオンがダークマターだとすれば、1兆個/m3の密度で存在することになります。

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