こういった疑問にMBA大学院生の著者が答えます。
結論
顧客開発モデルとは最初は少数の顧客に絞り込んで、「顧客発見」と「顧客実証」のサイクルを回し続ける→顧客開拓→組織構築を行うプロセスです。詳細は本記事にて解説します。
本記事の内容
顧客開発モデルとは

顧客開発モデルとはスティーブン・G・ブランクが著書「アントプレナーの教科書」で提唱した、「製品を開発するのではなく、顧客を開発する」という理論です。多くの企業が製品開発モデルで製品開発を進めていますが、顧客が買うかは検証してないので、製品開発モデルで製品開発を行うのは間違っているという考え方です。
顧客開発モデルは、売れる製品を開発できるだけでなく、失敗したときのダメージを最小限に抑えられるというメリットもあります。
顧客開発モデルのポイント

顧客開発モデルでは「1.顧客を絞る」、「2.顧客の要望リストで本当に必要な要素だけ開発部隊に伝える」、「3.少数顧客に買うかどうかをコミットする」ことがポイントです。
1.顧客を絞る
幅広い顧客のニーズに答える方が売上も大きくなりそうですが、多数派が好む商品を作ろうとするとその分競争も激しくなります。まずは少数顧客を獲得し、その少数顧客の意見を聞くことが大切です。
2.顧客の要望リストで本当に必要最低限の機能だけ開発部隊に伝える
新製品開発は経営資源(ヒト・モノ・カネ・チエ)も限られているため、必要最低限の機能だけ開発部隊に伝えます。営業チームが顧客要望リストをドザッと開発チームに渡しても、開発チームの作業が増えたり、何に対しても特化していない中途半端な機能を持った製品が完成する恐れがあります。
3.少数顧客に買うかどうかをコミットする
アンケートで調査して「商品が欲しい」と回答した人も、実際には買わない可能性があります。
少数顧客に買うかどうかをコミットさせる必要があります。もしコミットできなければどの機能を満たせれば買うかを改めて調査する必要があります。
顧客開発モデルの事例

マットレスの「エアウィーブ」は顧客開発モデルで成功しました。
「エアウィーブ」は釣り糸を作るプラスチック成型機会の製造メーカーでした。 エアウィーブ社は「プラスチック糸を固める技術で、高反発クッション材を作ろう」と法人向けに開発したが、あまり売れませんでした。
そこで4,000万円の広告費を出して、個人向け寝具の販売を始めたものの、売上は1,000万円ほどしかなかったです。しかし「アスリート」からは好評でした。
あまり売れなかったですが、アスリートという「顧客」の発見は大きな収穫です。
顧客を発見したエアウィーブ社はアスリートに顧客を絞って、エアウィーブを提供し調査する事で改良を重ねていきました。その結果2010年のバンクーバーオリンピックでは7割りの日本人選手がエアウィーブを使用するようになりました。
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