【簡単】CP対称性の破れとは

CP対称性の破れとは 量子力学

「CP対称性の破れって何? 小林ー益川理論ってどんなの? 弱い力がP対称性を破るって本当? 物理学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に物理学修士の筆者が解説します。

結論

CP対称性の破れとは「P(パリティ)対称性が破れている不都合を、C(チャージ)対称性を組み合わせたCP対称性により克服しましたが、CP対称性も破れて不都合であること」でした。しかし、小林ー益川理論によりCP対称性は破れていても問題ないことが証明されてました。詳細は本記事にて解説します。

本記事の参考文献

本記事の内容

CP対称性の破れとは

CP対称性の破れとは

CP対称性の破れとは「P(パリティ)対称性が破れている不都合を、C(チャージ)対称性を組み合わせたCP対称性により克服しましたが、CP対称性も破れて不都合であること」でした。しかし、小林ー益川理論によりCP対称性は破れていても問題ないことが証明されてました。

C対称性とは

C(チャージ)対称性とは、 粒子と反粒子の入れ替えのことで、荷電共役といいます。この変換によって粒子を反転すると、その粒子に対応する反粒子になります。つまり、C対称性が保たれていれば、粒子から反粒子に変換することができるのです。

P対称性とは

P(パリティ)対称性とは、鏡に映しても(左右を入れ替えても)物理法則に変化がないことです。この世界が完全に左右反転しても、ほとんどの物理法則(例えば重力、電磁気力、強い力)は変わらないので、特に不都合はありません。しかし、弱い力だけはパリティ対称性が破れているのです。ちなみに空間を上下左右反転させることをパリティ変換といいます。

CP対称性の破れの歴史

素粒子の研究が進むと、弱い力はP対称性を破り、保存しないことがわかってきました。例えば弱い力によって原子核から放射線が出てくる様子を観察すると、鏡に映したときは違う方向に放射されていることがわかりました。つまり、弱い力はパリティの対称性を破っていたのです。電子などの素粒子は、限りなく小さいものであるにもかかわらず、自転(スピン)をするという性質があることがわかっており、その回転方向は、電子が進む方向に向かって「時計回り」と「反時計回り」の二種類があります。そして、弱い力の現象を観察すると、時計回りの素粒子だけに弱い力が働いていることがわかったのです。時計回りにスピンしている素粒子を鏡に映すと、反時計回りにスピンしているように見えます。従って時計回りの素粒子にだけ弱い力が働くと、鏡の中の世界では、反時計回りの素粒子には力が働かたないことになるのでP対称性が破れることになるのです
その後、一時期はC対称性を組合わせたCP対称性が保存されていたことで、解決されたように思われたのですが、1964年にK中間子でCP対称性が1/1000の確率で破られてしまう現象が見つかりました。

CP対称性の破れの解決

小林ー益川理論によりCP対称性は破れていても問題ないことが証明されてました。この理論では、クォークが三世代六種類あれば、CP対称性の破れが説明できるというのです。なぜ、クォークが二世代だったらダメなのかというと、線(2点)はひっくり返しても重なって区別がつきませんが、三角形(3点)はひっくり返しても重ならないので区別がつくからです。例えばC対称性のときに現れる反粒子は、粒子を線対称のようにひっくり返したようなものです。CP対称性も、ひっくり返したときにもとの粒子と区別がつかなければ対称性が保存されているといえますが、区別がつくと対称性が破れていることになります。なのでひっくり返しても区別がつく三世代が必要なのです。
実際、クォークは三世代六種類存在することが実験によって確認されていますし、それによってCP対称性が破られている場合もあることが確認され ています。

宇宙がはじまった直後に、粒子が生みだされ ると同時に同じ量の反粒子も誕生しました。粒子と反粒子はペアで生まれて、ペアで消滅するので、完全に対称性が保たれていたならば、すべての粒子は反粒子とともに消滅して、宇宙には何もなくなるはずですが、反粒子は消えて粒子だけが残っています。この粒子だけが残っている理由にCP対称性の破れが関係していると考えられ ているのです。

CP対称性の破れの証明

小林ー益川理論を証明するためにつくば市にある高エネルギー加速器研究機構(KEK)で電子と陽電子をぶつけていく実験が行われました。そのぶつける頻度がとても多いのです。なんと、7ナノ秒に一回の割合でぶつけていくというのです。その結果、衝 突によって生まれてくるB中間子と反B中間子の差をとらえることに成功し、CP対称性が破れ ているという小林―益川理論を証明することに成功しました。

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