こういった疑問に経済・経営研究科の著者が答えます。
本記事の内容
中国経済成長のきっかけ

中国経済成長のきっかけは「改革開放政策」です。「改革開放政策」とは鄧小平(とうしょうへい)が政権を握った1978年以降に行われた、工業、農業、国防、科学技術の近代化を達成するための政策です。
「改革開放政策」には「農村改革」、「放権譲利型改革」、「対外開放政策」等の政策があげられ、中国経済成長を語るうえで欠かせない政策です。
中国のGDP成長率について知りたい方は第3節 中国:通商白書2019年版(METI/経済産業省)
農村改革

改革開放以前、中国では人民公社という政府の末端企業が大規模な土地で複数の農家の人たちを働かせていました。
そこでの農家の人たちはめっちゃ生産性が低かったです。なぜなら、大勢が働いてるから1人がサボってもバレないし、頑張っても給料が変わらないからです。
そこで政府は農家毎に土地を与えて、「一定以上の生産物は自分らの好きに使っていい」という生産請負制にしました。すると生産性はめっちゃ向上しました。
農家の人たちは「一定以上の生産物」を国に買い取ってもらう事で、高収入を得られるようになりました。
放権譲利型改革

「農村改革」でうまくいった政府は、1984年に都市部の改革へ移行しました。
今まで国有企業の「新商品を作ろう!」といった意思決定権は政府が持っていたのですが、国有企業にその決定権とそこで得られた利益を譲りました。その結果、生産性は飛躍的に上昇しました。
国有企業はいろんな名目で政府への上納金を少なくし、この改革自体はうまく行かなかったですが、後の政府と企業の切り離しのきっかけとなり、経済成長が加速しました。
対外開放政策

1980年に深圳等の4箇所を経済特区として、外国からの投資を呼び込みました。2015年末までに合計1兆7409億ドルも外国から投資を得ています。
1985年プラザ合意によって円高になり、日本製品の輸出が伸び悩みましたが、中国で安く作ったら安く売れるので、この時期に多くの日本企業の中国進出しました。このような背景もあり、中国の外資誘致は大成功を収め、目覚ましい経済成長を遂げました。
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