セブン&アイホールディングスが成功した方法9選|商いの道

セブンイレブン伊藤雅俊の商いの道 経営
「『商いの道』って何? セブン&アイホールディングスはなぜ成功したの? ライフスタイル・マーケティングって? 二枚儲けってどういう意味? 経営学ってなんだか難しそうだな…」

こういった疑問にMBA学生の筆者が答えます。

結論

『商いの道』とは「イトーヨーカドー」、「セブン・イレブン」、「デニーズ」など60数社を率いる、イトーヨーカドーグループ創業者伊藤雅俊氏の著書で、セブン&アイホールディングスが売上高6兆円まで成長した理由が書かれています。詳細は本記事にて解説します。
セブン&アイホールディングス売上高出典:セブン&アイホールディングス|株主・投資家情報

本記事の参考文献

本記事の内容

伊藤雅俊氏~商いの道の原点

伊藤雅俊氏~商いの道の原点~

伊藤氏は終戦直後21歳の時、母と兄が営む羊華堂という洋品店で働きました。しかし、羊華堂は同年の東京大空襲で店がなくなってしまいました。
伊藤氏の母にとって、店がなくなるのは日露戦争、関東大震災に続き3度目の体験でしたが、彼女はまっさきに立ち上がりました。
母は、「お客さんは来ないもの」、「取引したくてもお取引先は簡単に応じてくれないもの」、「銀行は貸して頂けないもの」、といったような「ないない尽くしから商いは出発するのだ」と常に言っていました。
また母は「商売とは、お客様を大事にすること、そして信用を大事にすること、それに尽きる」と言って、当時は闇市で粗悪品が売られていた中でも、母は決して客を騙して売りつけたりはしませんでした。この母の考えを伊藤氏は受け継いでいるのです。

時代は必ず大きく変わる

時代は必ず大きく変わる

伊藤氏は時代の怖さを肌で知っていました。例えば、1936年の日本は大衆消費社会でよい時代でしたが、翌年の盧溝橋事件を契機に、わずか数年後に第二次世界大戦に突入、日本中は空襲で焼野原になりました。ここから伊藤氏が学んだのは「誰もそんなことを考えていないときの怖さ」です。近年では2011年の東日本大震災や2020年の新型コロナがその代表例です

仕入れが勝負

仕入れが勝負

伊藤氏は「より商品を安く売るには仕入れが勝負。よい商品と思って仕入れても、売れ残ることは多い。別商品を置けば売れたかもしれないのに、その機会も損失してしまう。販売は難しいのだから、その元の仕入れはさらに難しい。安易な取り組みは許されない」といった指摘をしており、この指摘はメーカーに対しても重要な考え方なのです。例えばメーカーにとって商品開発は、大きなヒト・モノ・カネ・を投資する自社による「仕入れ」で、安易な製品開発は危険なのです

信用第一(二枚儲け)

信用第一(二枚儲け)

伊藤氏は「商人にとって利益よりも大切なものが信用」と指摘しており、「商人は自分で何もつくれない。他人がつくったものを預かり、お客に手渡しする仲介業だ。お客、問屋、メーカーの信用を得なければいけない。誠実さを忘れ、「少しくらい」「今回だけ」と言い訳する癖がつくと、積み重なっていずれ信用を失う。信用を常にひたすら済み重ねるべきだ」と信用の大切さを語っています。さらに伊藤氏は、その信用を得るために「①自分たちは身を質素にして尽くすこと」、「②笑顔で対応すること」、「③二枚儲けでいくこと」が必要だと述べています。

二枚儲けとは、例えば1ダース(12枚)の商品を全て売ったら、2枚分の売値が丸々利益になるという意味です。つまり、1枚100円の物を12枚売ったら、200円の儲け(粗利)がでることです。この200円から人件費や賃料を支払うのです。

ライフスタイル・マーケティング(生活を提案する)

ライフスタイル・マーケティング

これからの時代は、ライフスタイル・マーケティングを考えて経営戦略を立てないといけません。ライフスタイル・マーケティングとは、例えば、若い男性は自分の趣味、衣類、交際費にお金を出すことを惜しみません。しかし、結婚を考え出すとそれらを節約するようになり、子供ができると子供の養育費などに多くのお金を払うことになります。このように人間の思考は生涯変わらないのではなく、年齢や環境の変化によってくるので、それに合わせて商品も変えなければなりません

市場調査は、外れた後が勝負

市場調査は、外れた後が勝負

多くの小売会社は出店する前に市場調査をしますが、たいてい外れます。肝心なのはその後なのです。例えば、ラーメン店を開店してお客が来ない店主は、値段が高いのか、面が悪いのか、スープの味かなど必死で理由を考えます。調べれば必ず問題がわかり対策を打てますが、大企業にいると往々にして問題点が見えなくなります。ラーメン店「なぜお客は食べ残したのか?」とすぐに考える癖をつければ、有効な対策が打てるのです

ひらがなで考える

ひらがなで考える

伊藤氏は「漢字や難しい言葉でものを考えるようになったら、現場から遠くなっている証拠」と述べます。また「ひらがなで語る人は、知識の人で、商人に必要なのは書物で得た知識よりも実践で身に付けた知恵である」と持論を述べ、さらに「本だけで勉強し、頭で経営の理屈がわかっても、経営者にはなれません。お客様や社員と接し、成功と失敗で得た知識があってこそ、立派な経営者になれる」と語っています。

単品管理

単品管理

伊藤氏は「売れる商品とはお客様の心の奥底のお客様自身が気づかない欲求を満たすのがプロの商いだ」と語っています。伊藤氏はそのために「単品管理」という一つ一つの商品の動きを見て、担当者が自分の担当する地域の要望を見つける出すというシステムを導入しています。単品管理システムならば、社員はどれが売れていてどれが売れていないかデータで判断でき、これは社員に当事者意識をもってもらうには最適な方法なのです。

「成長」よりも「生存」

「成長」よりも「共存」

イトーヨーカ堂は成長してきたが、伊藤氏は、伝統を頑なに守り時流に流さない老舗的な商いもすばらしいと考えてきました。そんな利点と美点も自分の会社に取り入れないかと考え、伊藤氏がたどり着いた結論は「成長を考えるな、生存を考えよ」でした。
成長だけ考えると人は貪欲になり、いつの間にか膨張、肥大化し、他をけり落そうとし、不正を働く。長い目で見れば、むしろいかに生き抜くかを考えるべきなのです。
業界の過当競争は成長や進歩をもたらすどころか、逆に業界に混乱をきたすとし、生存を考える商いならば基本に忠実になり、お客様になり、お客様に喜ばれ、大きな信頼が得られますと述べています。伊藤氏の結論は、「成長よりも持続性」を重視する日本の老舗ファミリー企業の考え方なのです。

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