物理学4つの力とは|弱い力や強い力とは何なのか

物理学4つの力|弱い力や強い力とは 自然科学
物理学4つの力とは|弱い力や強い力とは何なのか

「4つの力とは? 強い力や弱い力って何? 力はどのようにして伝わるの? 第5の力があるって本当?? 物理学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に物理学修士の筆者が答えます。

結論

4つの力とは物理学で存在が確認されている4種類の相互作用のことで、電磁気力、重力、弱い力、強い力がそれに該当します。詳細は本記事にて解説します。

本記事の内容

物理学4つの力とは

4つの力とは物理学で存在が確認されている4種類の相互作用のことで、電磁気力、重力、強い力、弱い力がそれに該当します。さらにこれらの力は素粒子(これ以上分解できない物質の最小単位:電子やクォークなど)のやり取りによって与えられています。例えば電磁気力は、ある電子が他の電子に光子(光の基となる素粒子)を渡して力が作用するのです。
イメージしやすいようにスケートリンクの上で向かい合う2人で例えます。左側の人がボールを投げると、左側の人は反動で少し左に移動します。ボールを受け取った右側の人も反動で少し右に移動します。これと同じように、左の電子も光子(ボール)を投げると左向きに力が働き、光子を受け取った右側の電子も右向きに力が働くのです。このように電気的な斥力が働きます。
逆に左側が電子で右側が陽電子、つまり電気的な引力が働く場合、左側の人は左向きにブーメランを投げ、右側の人は右向きでブーメランを受け取ります。すると左側の人は反動で右向きに移動し、右向側の人は左向き移動するでしょう。これと同じように左側の電子は光子を投げて右向きに力が働き、光子を受け取った右側の陽電子は左向きに力が働くのです。このように電気的な引力が働き、この力のやり取りが相互作用なのです。
上記は電磁気力の例ですが、重力、強い力もブーメランによる引力が当てはまりますが、弱い力だけは特別になります。

電磁気力とは

電気を帯びた物体同士に作用する力を電気力といい、磁性を帯びた物体同士が作用する力を磁力といいます。電流を流すと周囲に磁力が発生することから、電気力と磁力を統一して電磁気力といいます。クーロンの法則により、電磁気力は電荷を持った粒子間距離に反比例する(電荷の距離が遠いほど力は弱くなる)ことで知られています。上記で説明したように、電磁気力は電荷を持った粒子同士(例えば電子)が光子を受け渡しすることで発生します。
実はバットでボールを打って飛ばす時も、この電磁気力による力なのです。バットとボールを含んだ、私たちが目に見える全ての物質は原子からできています。原子は原子核と電子で構成されていて、月が地球の周りを回るように、電子が原子核の周りを回っているのです。そこで、原子からできているバットとボールをぶつけると、電子と電子が近づいて光子の受け渡しを行い、電気的な斥力が発生するのです。

重力とは

質量を持つ物体同士に作用する力を重力といいます。ニュートンの万有引力により、重力は質量を持った粒子間距離に反比例することで知られています。重力は質量を持った粒子同士がグラビトン(重力を与える未発見の素粒子)を受け渡しすることで発生します。グラビトンは余剰次元(私たちの世界が3次元空間だとすると、余剰次元とは4次元や5次元など)を行き来きするため、他の3つの力の比べて非常に弱いとされています。またアインシュタインの一般相対性理論では、重力が強い場所では時間の進み方が遅くなるため、この性質を利用したタイムマシン理論が研究されています。

弱い力とは

ベータ崩壊を引き起こす力が弱い力で、電磁気力より弱いことから弱い力と名付けられました。力というと押したり引いたりする力のイメージがありますが、弱い力は物質を別の物質に変化させる力なのです。どいうことかというと、例えば射性崩壊の1種であるベータ崩壊では、原子核の材料である陽子と中性子がアンバランス(基本的に中性子が多い時)なので、中性子を陽子に変えてバランスを取ろうとします。この中性子を陽子に変えてる力が弱い力なのです。
実際に福島第一原発で問題になったセシウム137は、陽子が55個、中性子が82個集まってできています。ここでは中性子が多いので、弱い力により中性子が陽子に変化して電子(ベータ線)を放出してバリウムに変わるのです。また中性子が突然陽子になり、余分なエネルギーがあるため、それを電磁波(ガンマ線)として放出します。このベータ線とガンマ線は、人体のDNA螺旋構造を損傷させて癌の原因となるのです。

強い力とは

陽子や中性子を結び付けたり、クォーク同士(陽子や中性子の材料)を結びつける力が強い力で、電磁気力より強いことから強い力と名付けられました。どのくらい強いかというと、クォーク同士を引き離すには1兆度以上の温度(ビッグバンが起こって間もない頃の温度)が必要なほど強いのです。
電磁気力は、電子同士が光子を受け渡した時に発生するように、強い力はクォーク同士がグルーオンという素粒子を受け渡した時に発生します。ただし、この力は距離が遠くなればなるほど強くなるといいう電磁気力や重力とは逆の性質を持っています。しかもその力は1兆分の1mmの範囲までしか届かないという制約もあるのです。

第5の力とは

2012年にCERNのLHC(大型ハドロン衝突型加速器)でヒッグス粒子が発見されました。ヒッグス粒子が与える力とは「素粒子に質量を与える」というもので、これはその他のどの力にも当てはまらないので、ヒッグス粒子が与える力は第5の力なのです。
どのようにヒッグス粒子が質量を与えるのかというと、素粒子が私たちの空間を満たしているヒッグス粒子がぶつかることにより、素粒子は質量を得ているのです。ちなみに光子はヒッグス粒子とぶつからないため、質量0の唯一光速で移動できる素粒子なのです。

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